記事

石川遼 everyone PROJECT Challenge 2026

圧勝の木村太一を追ったもう一人の“タイチ”  中央大出身の26歳・西片太一が自己最高の2位「太一さんに追いつけるように」

木村太一が初日から首位を守る完全優勝で幕を閉じたが、少しだけ脅かした男も太一だった。プロ5年目の西片太一は、10位タイから出た最終日、1イーグル・6バーディの「64」をマークして、通算14アンダーで単独2位。ツアーでの自己ベストでキャリアハイのフィニッシュを決めた。

 

「(同組の)中西直人さんと気持ちよく伸ばせました。あわよくばと思っていましたが、うれしいです」

 

ティショットはほぼフェアウェイをとらえて、パーオンを逃したのも1ホールのみ。5メートルのバーディパットも難なく沈めてバーディを量産して大まくり。6メートルを沈めてイーグルを奪った11番パー5はこの日のハイライトだ。


 

2022年12月にプロ転向した26歳の西片。レギュラーツアー出場は2024年の「日本プロゴルフ選手権」(結果は41位タイ)の1試合のみ。ACNツアーはこれまで22試合に出場し、最高成績は今年の「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」の11位タイ。キャリアの歴史を大きく塗り替えた。

 

10歳でゴルフを始めると杉並学院中学、日体荏原高校で腕を磨くと中央大学理工学部に進学。当初はプロゴルファーを目指していたわけではない。

 

「大学4年の時に日本アマと日本学生の最後までいけたので」と2022年にQTを受験してプロ転向。24年には日本プロゴルフ協会のプロテストにも合格。今は、超名門の東京ゴルフ倶楽部の所属プロでもある。

 

23年はACNツアーに11試合出場したが9試合で予選落ちを喫するなど歯が立たなかった。ツアーで戦うために持ち球をフェードからドローに変えたが、大事な場面で左のミスが気になった。今季はフェードに戻したが、3月に腰痛に悩まされた。

 

「当てるだけのスイングになっていたんですけど、逆にその感覚が良くて。そこからショットが曲がらなくなりました」。これまでは体を使いすぎていたのかもしれない。そう思いながら腕を振る感覚を活かしたらショット力が上がった。ショートゲームを武器とする西片にとって、まさにケガの功名だ。

 

ポイントランキングは21位浮上。来季前半戦の出場権獲得も目の前だ。優勝者は同じ“太一”。「太一さんは毎回上位ですごいですから。少しでも近づきたいですね」。まだまだ無名の“タイチ”。西片太一はこれから、名前を売っていく。