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日本プロゴルフ選手権大会 2025
南アのノリスがジャンボに並ぶ「61」で断トツトップ。進撃の日本タイトル4冠へ
南アのノリスが怪物チャージで急上昇した。
2日目を4アンダーの9位タイから出て前半11番から奪った5連続を皮切りに、11個のバーディとボギーはゼロ。
11アンダーの「61」をマークし通算15アンダーで、あれよと断トツトップに躍り出た。
内容を全部、思い出してほしいと頼まれてもあまりにも数が多くて答えに詰まるが、ツアータイ記録のパット数「18」は、自己ベストも1打更新。
「全体的に10~15フィート(約3~5メートル)が良く入ってくれたよ」と、2打目以降のショットもビタビタ。
2位以下をどんどん引き離して迎えた最後9番では、グリーン右奥の刈り込みから、クロスハンドで握ったウェッジを器用に操りチップイン。
22年の「全米オープン」を制したフィッツ・パトリックも逆手のアプローチで優勝していた。
ノリスが着手したのは2年前だそうだ。「キャリーで50ヤード以内ならやるかな。左手主導で打てるから上手く行く気がしていて」。
本人にはいろいろ葛藤もあるのだろうが、きょうは見事なフィニッシュだった。
「61」は谷汲のコースレコードと共に、1991年に尾崎将司が記録した大会最少ストローク(※1973年ツアー制度施行後)に並ぶ快進撃。
「すごく嬉しいです。ジャンボさんの功績は非常に偉大なもの。その背中を追うことに意味がある」と、噛み締める。
通算7勝のうち、2勝目の2017年「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」と、6勝目の2021年「日本オープン」と、7勝目の昨年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に続いて、本大会で通算8勝目を飾れば、2007年の片山晋呉(「UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」)に次ぐ、現行の“日本タイトル”全制覇。
「“グランドスラム”のことは去年、マネージャーの松さん(松室さん)から聞いて知っていました。達成できればすごいですよね!」。
悲願成就まで残り2日。
“日本タイトル”に強い理由は、本人にもよくわかっていないようだが、「タフなコースでこそフェアウェイ、グリーン、フェアウェイ、グリーン……を、繰り返す。そう、イナモリさんみたいにね!」。
9季連続フェアウェイ1位の稲森佑貴(いなもり・ゆうき)も手本にコース攻略に徹する。
母国南アで行われた2022年の「ステインシティ選手権」に続いて昨年の「アルフレッドダンヒル選手権」で欧州ツアー2勝を誇るが、松室マネージャーにもいつも言うのが、「僕の主戦場は日本ツアー。移動も楽だし、ごはんも美味いし、コースはきれいし、人も優しい。あと、なんといってもタッキュウビンがある!」。
ついでに好物は「タベホウダイヤキニク」。
今夜は、岐阜市内で弟のカイル・キャディと前祝いのごちそうだ。
⛳日本タイトル4冠達成者(現行試合以外も含む、勝利数順)
◆尾崎将司(71、74、89、91、93、96年「日本プロ)、74、88、89、92、94年「日本オープン」、71、72、74、77、80、95、96年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」、89年「日本マッチプレー」)
◆青木功(73、81、86「日本プロ」、83、87年「日本オープン」、78、79、83、87年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」、78、79、81、82年「日本マッチプレー」
◆中嶋常幸(77、83、84年「日本プロ」、85、86、90、91年「日本オープン」、82、93年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」、83、86、92年「日本マッチプレー」)
◆片山晋呉(03、08年「日本プロ」、05、08年「日本オープン」、00、02年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」、07年「UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」)
◆尾崎直道(89年「日本プロ」、99、00年「日本オープン」、88、90、91年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」、90年「日本プロマッチプレー」)
◆村上隆(75年「日本プロ」、75年「日本オープン」、75年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」、75年「日本プロマッチプレー」)














