初の予選通過をかけたこの日は、2メートル半のスライスラインを決めた前半2番を皮切りに、「ゾーンに入った」と、7番ではべたピンの3連続バーディ。
「イケイケな感じで。ショットもパットも完璧でした」と4つ伸ばせば、後半10、11番の連続ボギーもまだ余裕。
「予選カットも気にならず、ほどよい緊張感で回れました」と、16番でひとつ取り返して3アンダーの「67」。
リーダーボードの上で大会をターンし、拍手喝さいを受けてカメラの前に立った。
取り囲んだクルーはみなさん元同僚の方々だ。
以前は自分も取材者のわきに立ち、イヤホンを装着したり、マイクを手渡したりしていた。
でも、今は聞かれる立場。
「どうですか?」と顔なじみのアナウンサーさんからマイクを向けられ「嬉しいですね!」と、ニコニコしていた。
5歳からゴルフを始め、地元千葉県の拓殖大学紅陵高校時に、国体で団体制覇に貢献するなど活躍した。
明治大学に進み、4年時にQT受験。
しかし1次敗退し、早々に道が絶たれた鈴木に声をかけてくれたのが、関西本社のスポーツ専用チャンネル「スカイA」だった。
ディレクターとしてスポーツ取材に従事し、多忙な日々を送っていたが、「諦めるのが早すぎたのではないか…?」。
ゴルフへの思いが再燃したのは約2年が過ぎたころ。
再びプロを目指すと決断した際、周囲はみな驚いたが、もちろん生半可な気持ちではなかった。
「特に自分にはブランクがあるので。やるからには徹底的に」。
教科書にしたのがツアー通算7勝の実績を持つ大学先輩の久保谷健一で、部内には「ぶっ倒れるまで練習した」との逸話が今も残る。
「先輩にも相当頑張らないといけないよ、と言われました」と鬼の努力を見習い、21年に転向し、22年にプロテストに合格。
QTは昨年、5度目の挑戦で初のファイナル進出し、ランク51位に。
今季主戦場のACNツアー(チャレンジトーナメント)では、先週の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」で4人のプレーオフに挑み、「攻める、守るを明確に」と、2位敗退から学びも得たばかり。
明けて本大会は、3月の予選会(美奈木GC)を2位で突破し、出場資格を得て2023年の日本プロに続く2戦目のレギュラーツアー。
もし初優勝なら、日本勢としては松山英樹(2013年つるやオープン)と並ぶ、最短V記録となる(※99年のJGTO発足以降)
「スカイA」では、決勝ラウンドの土・日に放送が予定されており、元職場にも何よりの恩返しだ。
「考えるのはまだ早いですけれど…」と、苦笑しながら、「最終日にまた呼んでいただけたら最高ですね」。
古巣での劇的会見を夢見る。
📺週末の中継予定
<5月17日>
◆7:45~14:30 大会公式youtube(LIVE)プレー終了まで
◆13:30~15:00 サンテレビ(LIVE)
◆18:00~22:00 CS放送スカイA(録画)
<5月18日>
◆7:45~15:30 大会公式youtube(LIVE)表彰式終了まで
◆8:00~10:30 CS放送スカイA(LIVE)
◆11:30~16:00 CS放送スカイA(LIVE)
◆13:30~15:25 サンテレビ(LIVE)