和合にひときわ大きな歓声が上がった。
手を大きく振って応えた。
隣の5番で、ちょうどプレー中の石川遼について歩いていた大勢のギャラリーもみな思わず振り向いた。
ツアーでは51例目(44人目)の快挙。
また65回を迎える本大会では、1998年に1番(パー4)で達成した中嶋常幸(なかじま・つねゆき)以来2人目となる奇跡の1打で、一気にV争いに突入だ。
雨によるスタート遅延と中断の影響で、日没のサスペデッドになった前日2日目の第2ラウンドでは後半インを丸々残していた小西は、この日4時起き。
「眠いです」と、目をこすりながら再開の9ホールで3バーディ。
「69」でまとめて通算1アンダーの12位タイで決勝進出し、アルバトロスを含む5アンダーの「65」で回ってきた決勝の3ラウンドとでこの日は計27ホール。
「疲れました…」。
長丁場を乗り切り最終日に再びVチャンスに挑む。
先週の新規大会「前澤杯 MAEZAWA CUP」で、ツアー初優勝を飾ったばかり。
初Vからの2戦連続優勝者は、ジーブ・ミルカ・シン(06年)と、プラヤド・マークセン(08年)と、木下稜介(21年)と、蟬川泰果(22年、当時アマ)の4人いるが、2週連続となれば、06年のミルカ・シンだけ。
日本勢となると初偉業。
「勝ちたいですね」。
昨年のいまごろから、大会の地元名古屋市に住むというご当地プロ。
本名の「貴紀」からひらがなへの登録改名元年は、序盤からたかのりノリノリだ。
⛳2週&2試合連続優勝記録
◆ジーブ・ミルカ・シン
06年「カシオワールドオープン」⇒「ゴルフ日本シリーズJTカップ」※2週連続
◆プラヤド・マークセン
08年「三菱ダイヤモンドカップゴルフ」⇒「ミズノオープンよみうりクラシック」※2試合連続
◆木下稜介
21年「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」⇒「ダンロップ・スリクソン福島オープン」※2試合連連続
◆蟬川泰果
22年「パナソニックオープン」⇒「日本オープン」※当時アマ、2試合連続