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ANAオープンゴルフトーナメント 2004

チャワリット・プラポールタイ出身の期待のルーキーが単独首位浮上

11番で、20メートルのバーディパットをねじ込んで勢いづいた。15番まで5連続バーディで、あっという間にリーダーボードを駆け上がる。
2位と2打差つける通算13アンダー、単独首位に浮上したのはタイ出身のチャワリット・プラポール。
ジュニア時代には、ナショナルチームのメンバーに選ばれるなど、母国タイでは“期待の選手”として注目を浴びている。
9歳のとき、8つ上の兄・スーラチャイさんの影響を受けて、自宅から歩いて10分のところにあるネイビーゴルフクラブでゴルフを始めたのだが、今では、やはりタイでプロゴルファーとして活躍する兄より「僕のほうが実力は上」と、胸を張った。

アジアのツアーで2勝の実績があるプラポールが、日本ツアーに目を向けたのは、2002年から2年連続で出場したアジア・ジャパン沖縄オープンだった。
2度の来日で、すっかり日本を気に入って、昨年のファイナルクォリファイングトーナメントに挑戦。
ランク9位で今年の出場権を手に入れた。

ルーキーイヤーの今シーズンは、家族をタイに残した孤独な戦い。しかし今週は、「まるで、故郷にいるみたいなんです」。リラックスして試合に臨めているのは、地元北海道在住の友人で、今週バッグを担ぐ山下成自さん宅からここ輪厚に通っているからだ。

以前、仕事の都合で数年間タイに赴任していた山下さんの奥さまがタイ人で、毎日、母国料理をふるまってくれる。「それがとってもおいしくて・・・」。家庭的な雰囲気で過ごせていることが、今週の好スコアにつながっている。

シード3年目のプラヤド・マークセンや、日本ツアーは2年目になるサマヌーン・スリロットなど、ほかにも日本ツアーで活躍している同郷の先輩が何人かいるが、まだ、タイ出身者から優勝者は出ていない。
今週は、プラヤド・マークセンが体調不良で欠場。「彼がいない間に、僕が先に初優勝をあげちゃいましょうか・・・」。冗談めかした口調の中に、燃えさかる闘志が見え隠れしていた。

  • 今週、バッグを担ぐのは北海道在住の山下さん=右「キャディは初めての経験。バーディが決まると、重いバッグもいつの間にか軽く感じられますね・・・(笑)」(山下さん)

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