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HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2019

沖縄ワンチーム! 首里城の再建を目指して

開幕前日の6日水曜日に行われたプロアマ戦で、めいめいゲストのおもてなしを終えた県勢が、どこからともなく集まってきた。
写真左から嘉数光倫(かかずてるみち)、正岡竜二、比嘉一貴(ひがかずき)と、そして優作&聖志の宮里兄弟(聖志が兄です!)。
みな大会の地元、沖縄県が誇るシード選手たち。顔を突き合わせてきゅうきょ緊急ミーティングだ。

切り出したのはプロ8年目の30歳、嘉数。
「まず、沖縄の大先輩方にお伺いをしたかった」と、いうのは先日、大火事により焼失した県の世界遺産について。

「”首里城”は文化の象徴、僕らのシンボル。それがなくなってしまった…。この一大事に微力ながら、僕らも何かできれば」とは一報が流れた先週から、嘉数がずっと考えていたことだ。

まして今週は、偶然にも地元の試合。
また今年は、ずっと欧州ツアーを回り、日本を留守にしたままだった宮里優作がようやく帰国。
今季の国内初戦を迎える。
県勢が、久しぶりに集うこの機を嘉数は逃すまいとした。

優作も、ニュースに心を痛めていた。
戦後、最初に再建されたという正殿のお披露目は確か小学校に上がる前。家族とみんなで見に行った。
それからさらに約30年もの月日をかけて行われた復元工事は、今年1月に完了したばかりだった。

「あれが跡形もなくなるなんて…信じられない」と、優作。早くも県内では、2億円の寄付が集まったというが、再復元には、200億円以上がかかるという試算も報道され、優作も暗澹たる気持ちになっている。

「そもそもお金が集まっても、すでにシンボルの赤瓦を再現できる職人がいないんだって…。だから、これからまた本当に元通りになるのかどうか…」。

それでも、なんとか修復させたいという県民の思いは強く「僕らも何か、サポートできれば」と、優作も考えていたところだった。

そんなところへ嘉数の熱い思いを聞いた優作は「嘉数に中心になってやってもらおうか…」。
「本当に? 僕にやらしてもらえるんですか…?!」。

今大会でも、会場内に募金箱を置くことが決まったが、「僕ら県プロでもみんなで何かできれば。具体的に、どうすれば一番いいのかまだ分からないですが、遼くんにも相談してみたい」と、嘉数はこれから選手会長にも意見を聞きに行くつもりという。

写真の5選手のほかにも今週、出場の県勢は富村真治に多良間伸平、アマチュアの新城ディラン唯人さんを含めて8人。
「ラグビーじゃないですけど僕ら県プロが”ワンチーム”で何かできれば」と、嘉数がその中心になって、故郷のためにひと肌脱ぐつもり。
初シード入りを果たした今年は、優作&聖志ら先輩のホストプロに続いて、嘉数も今大会主催のパシフィックゴルフマネージメント(PGM)と、スポンサーシップ契約を締結したばかり。
「寄付活動ももちろんですが、まずは僕ら県勢が今週、いいプレーをして、この試合を盛り上げることが一番」。
一丸となって故郷のために立ち上がる。

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