記事

HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF 2016

ノリオさん、ありがとうございます! 富村真治の復調のキーパーソン

シード元年の今年、これまで14戦中、予選通過は2回と苦しみ抜いた今季もやっと、不振から脱却できそうな気配が出てきた。

パットに悩み抜いてきた。この日は、5連続バーディを記録した後半はその最初の12番で沈めた6メートルのバーディパットも「記憶にないくらい、久々に入った距離」と、その深さを物語った。

昨年は、全英オープンの日本予選シリーズの“最終戦”にあたるミズノオープンで3位に入り、初メジャーを踏んだ。大会主催のミズノの契約選手として報いたのは良かったが、「ジュニアのままやってきて、全英まで行った」。
世界の舞台を見て「もっと上を」と自分を追い込み、増田哲仁コーチといちから作り直しを始めたスイング改造は順調でも、あまりにも上ばかりを見過ぎて、ちょっとのミスも許せなくなっていた。
思い通りに打てないと、自分を責めた。
「心的に、一度完全に粉砕した」。

先週も、また予選落ちして「飛んで行った」。
迷える富村がすがったのは、尊敬するレジェンドだ。
現役時代は九州の若鷹と呼ばれた。昨年まで、日本ゴルフツアー機構の理事をつとめた鈴木規夫は、富村の心の師匠。
週末の土日はサシでじっくり話し合った。ツアー通算16勝の言葉は重かった。今季の不振も、「そんなの、お前がヘタだからや」と、ざっくばらんに言われて「心のおもりが取れました」。
少しの失敗で、イライラして、やる気をなくしていた。
すべては、心の問題だったと気づかされて、晴れ晴れとした気持ちで戻って来られた。
この日は最後の18番で、惜しいバーディチャンスを外した。「あれも前ならふて腐れて帰ろうかな、と」。等身大の自分も現実も、あるがままに受け止められるようになって、「今週は、ゴルフをするのが楽しみだった」と好発進した。

関連記事