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東建ホームメイトカップ 2017

デービッド・オーの夢

中盤から降り出した大雨の中で、イーグルを奪った。向かい風に向かってドライバーを握り、バンカーに打ち込んだという7番パー4(418ヤード)。
残り99ヤードの2打目をウェッジでカップイン。
ピン奥に着弾したボールは、バックスピンでカップに吸い込まれた。

「ピンに向かって転がっていたのが見えたので、戻れ戻れ、と。カップインの瞬間も見えて嬉しかったですね」と、ガッツポーズを握った。

この国内開幕戦は、初シードの2013年からこれまで4度の出場も、一度も予選を突破できた試しがなかった。

「今までは、ひとつふたつの大きなトラブルで通れなかった。今年、やっと5年がかりで初めて通過しました!」と、14位タイでその壁を破ると、あれよあれよとV争い。

2014年の三井住友VISA太平洋マスターズで1勝を飾ったが、そのとき得た複数年シードが切れる昨年は、賞金ランク71位で第二シードに潜り込むので精一杯。

「日本に来て6年目。まだ、勝ちきったという気持が持てず、今年は2勝、3勝と出来たらいい」。
そのために、今季は新しいコーチと二人三脚で、スイングを見直した。「徐々に良くなってきた」と、さっそく春から復調の兆しが見える。

今年、36歳になった韓国系アメリカ人。
「目標は、いつか母国ツアーに挑戦すること」。
いつかゴルフを学んだ原点の地で、自分の力を試してみたい…。切実な夢。
「だけど1回、参戦するだけで十分なんです。本当に1回だけでいいので、その夢がかなえば1年ですぐ、日本に帰ってきますよ!」。
なぜか、大慌てて付け足した。それくらい、日本ツアーのことが好きなのだ。

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