記事

アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 2016

時松隆光が4試合ぶりの決勝ラウンド進出へ

人生の劇的変化にも、やっと慣れてきた。ゲンちゃんこと時松隆光(ときまつりゅうこう)が、初Vからやっと4試合ぶりの予選通過を果たした。

スタートしてすぐの11番でのバーディがデカかった。
左端のピンに対して、「左に外した時点でもうないか、と」。グリーンの左奥から諦めモードのアプローチは、「手前の段を使わないと、絶対に寄っていかない」と、高難度の3打目が、なんと直接、カップに入って「カッコいい!」。
珍しく、自画自賛で波に乗った。
近頃、鬼門の予選2日目は「朝からぴりぴりムード」も最後は本当に、久しぶりに笑顔を浮かべて上がってきた。

7月の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」でツアー初優勝を達成すると、その直後のツアー外競技のマッチプレーを制して優勝賞金1億円が転がり込んだ。

税金を差し引いても目を剥く額が、通帳に振り込まれてある。
「副賞には車を頂いたし、物欲もない」と、少々持てあましている。

ツアーでも、QTの資格で出場していたころとは扱いが激変した。初優勝のすぐ後のトーナメントでは、大会が組み合わせる予選ラウンドで、石川遼と同じ組に放り込まれた。
先週のANAオープンでは、3年ぶりの優勝を飾ったブレンダン・ジョーンズと同組で回った。
常に注目組に入って戦い「BJも、遼さんも凄く飛ぶ。2打目以降も楽そうに振っている。そこが僕との違い」と、見ていてつい飛距離への欲も出て、そのためにショットの調子を崩したというのもあった。

そんな変化の数々にも「いまようやく慣れてきた」と、今週は自分を見失うことなく、いつものゲンちゃんが戻ってきた。
ここ茨木カンツリー倶楽部は3年前に、同い年の幼なじみの川村昌弘が、ツアー初優勝を飾ったコースでもある。
「昌弘は、こんな難しいところで勝ったんだ、と。そんなコースで自分もプレーが出来て、ありがたい」と、久しぶりの決勝進出は、感謝の気持ちのV争いだ。

関連記事