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マイナビABCチャンピオンシップ 2018

引退も考えた・・・復帰に賭ける矢野東。井上信も不振を極めて、2人のホストプロが試練の時

ベテランのホストプロ2人は、苦難に立たされている。昨年5月に右ひじ痛で戦線離脱。試合中のケガを公傷とみなす特別保証制度を申請をして翌月に、内視鏡手術に踏みきった矢野東。

今年、8月の「RIZAP KBCオーガスタ」でやっとツアーに戻って、それからようやく初の予選通過を果たしたのが先週。
「試合中に、痛みが出ないことを一番にやってきた」。
不安は、復帰2戦目のフジサンケイクラシックで、早速やってきた。
「正直いうと、2戦目3戦目はちょっと怪しいぞというのが続いて。若干、痛みが出ちゃって。これ以上、痛いのが続けば引退しよう、と」。
潔く身を引くことも、考えた時期もあったという。
医者にはあえて、かからなかった。
決定打を下されるのが、怖かったという。
痛みの出ないように、スイングに工夫をしながら様子を見て来た。
「そしたら痛くなくなったので、良かったな、と」。
ようやく腰を落ち着けて、復活をにらめるようになったばかりの今週である。
「まずは、痛みがないことが、一番。その中で、だいぶゴルフになってきた。結果に出てきた気がしている」と、37位につけた先週に光明を見ている。

来季に持ち越す3試合も含めて、出場可能な残り8試合で、昨年分のシード実績を満たさなければならず、失敗すればあとがない。
「今年はファイナルQTに出ることを前提に、それに向けてゴルフを立て直すつもりだから」と、腹は据わっている。

休んだ昨年大会は、せめて観戦ツアーのガイド役で来場して、ホスト試合に華を添えた。
「社長にも、ご心配をかけたが先週の予選通過をとても喜んで下さって・・・」。
特別協賛社のマイナビと、サポート契約を結んで7年目。
良い時も、悪い時も変わらず支えて下さることに、改めて感謝せずにはいられない気持ちは、やはりホストプロをつとめる井上信(いのうえまこと)も同じである。

2013年から失ったままのシード復活に賭ける今季、ファイナルQTランク37位でシーズンをスタートさせたが、今だ予選通過に至っていない。
「しかも、全然惜しくもなんともない順位で。年齢のせいに、しちゃいけない。いけないんだけど・・・年齢と、身体のバランスが崩れているのを感じる。昔はここまで飛んだのにと思うと、力んで曲がっちゃう。だから、と力を抜いたら全然飛ばない」。
八方塞がりに、ため息をつくしかない。

今週、中川信行・代表取締役が、来季からさらに3年の開催契約更新を発表されたという。
こうして毎年、社長から推薦出場を頂きながら、肩身の狭い思い。
「せっかく、こうしてチャンスをもらっているので。なんとかやるしかない」。
43歳。3つ下の矢野とは普段からどんなに仲が良くても、現状を舐め合うつもりはない。
「言わなくてもお互い、分かっているから。あえて東と、励まし合ったりしない。誰しもが、乗り越えていかなくてはいけないこと。頑張るしかない」。
ベテランのホストプロ2人が、いま試練に立ち向かう。

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