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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2016

イザワ効果だ! ざっくりポンの時松隆光(ときまつりゅうこう)が首位タイに

人気の朝ドラは、新シリーズがすでに始まっているが、この選手にはまだ前回のブームが続いている?!
パットを打つ際に、いま大事にしているリズムが“びっくりポン”ならぬ、「ざっくりポン」。今までグリーン上で、「考え込んで、手が動かないということがよくあった」。反省して、ほとんど素振りもせずに、「ざっくりと構えてポンと打つ」というのをやり始めたら、今月初めのチャレンジトーナメント「ジャパンクリエイトチャレンジin 福岡雷山」で、さっそく優勝を飾った。

さらにその翌週の日本プロでは、好不調に関係なく「大先輩と回らせて頂くので。なるべく迷惑がかからないように」と、今回ばかりかマナー重視でグリーン上でも変わらず超速プレーを心がけたことで、いっそう“ざっくりポン”のリズムが身についた。

同大会主催の日本プロゴルフ協会が実施する昨季の資格認定プロテストの1位合格者として関係者の期待を集めた時松は、予選2日間を尾崎直道と伊澤利光という、豪華メンツに挟まれた。
特に、同大会で約3年ぶりのツアー復帰を果たした伊澤は、ジュニア時代に地元福岡で行われている「KBCオーガスタ」を観に行って「凄くきれいなスイングをされる選手だ、と。憧れだった」。その伊澤が今回の同組対決で、自分のプレーを褒めていてくれたことを知って驚いた。

残念ながら、伊澤は予選落ちをしてしまったが今後、復活を模索する上で、「時松くんのゴルフに学んだ」と言い残してコースを去ったと、当ホームページの記事で知り、チャレンジでの初優勝に匹敵するくらい「嬉しかった」と、感激した。
「一緒に回らせて頂くだけでも“ありがとうございます”なのに、あんな凄い選手にそんな風に言って頂けたなんて。自信になった」。

この日の65にも「僕は、本当はこんな選手じゃない」と、謙遜した。「難しいコースで71とか、72とか堅実にやってようやく上に来られるような・・・。こんなビッグスコアを出す選手じゃないのに」と、首をかしげて「これも、伊澤さん効果ですね」。改めて、嬉しそうに目を細めた。

翌年ツアーの出場優先順位を決める昨季のファイナルQTランクは75位とふるわず、今回もチャレンジの優勝枠で出場権を得た今週だ。特に、翌週には今季これまでの賞金ランキングを元に、出場優先順位の組み直しが行われるだけに「せっかく出られたので、しっかりやりたい」と、思いは切実。

2012年のプロデビュー時に、登録名を変えたが本名は「源蔵」。ショットもパターも、すべてのクラブをベースボール型で握る変則グリップが特徴だ。つばが広く平らになった個性的な帽子は、昨年から契約を結ぶナイキ社のもの。「メーカーのみなさんにはめちゃめちゃ良くしてもらっているので、なんとか恩返しがしたい」。
まだ若いが律儀な22歳が、ざっくりポンで絶好の好機を得た。

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