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ジョージア東海クラシック 2003

プロ11年目の秋葉真一が憧れの先輩に刺激を受けて・・・

5月のある大会でのこと。水曜日の練習ラウンドでコース入りした秋葉は、思わず目 がテンになってし まった。と同時に、背中にタラ〜っと冷や汗が・・・。
原因は、ウェア。なんと、先輩の佐々木久行と上下まったく同じ服装をしていたの だ。
宿泊先を出る前に気が付いておれば着替えることもできたが、その日はたまたま、 佐々木と別々にホ テルを出発していた。当然、会場には替えの服など持ってきているはずもない。

「周囲には冷やかされるし、佐々木さんにはにらまれるし・・・散々な思いをしまし た ね(笑)」(秋葉 )。

さかのぼれば佐々木との出会いは、秋葉が二十歳のときだった。入団したばかりの実 業団野球チームが 、直後に倒産。一念発起で秋葉はプロの道を目指し、はじめに門を叩いたコースにす でに佐々木がいた 。以来、
師匠の河野光隆を挟んで、ともに練習を積んできた。佐々木が1年先輩、後 輩の間柄だ。

いまは、用具契約先も同じで、だからこそウェアがダブるハプニングも起きてしまっ たのだが、「・・・ 我ながら、まったくぅって感じです。“洋服”じゃなくて、佐々木さんの“ゴルフ” を真似しろってん ですよねえ(苦笑)」。

佐々木を、心から尊敬している。佐々木は、昨年まで2年連続で賞金ランクによる シード権こそ失って いるが、日本プロほかツアー3勝。今でもそのゴルフには、目を奪われるものがあ る。
「ここ一番、というときの集中力、決断力。アプローチ、パットのうまさ、正確な ショット・・・すべて が天才的。真似したいところは、数え切れないくらいあります」と秋葉。
今週、その佐々木には本戦前に、「下半身が止まってる。もっと腰で打って行け」と のアドバイスを受 け、「その1ポイントでかなり良くなった」。さっそく効果が出て、ずっと苦手だっ た今大会で初の予 選通過、しかも上位進出だ。

この日2日目、秋葉は午前スタート、佐々木は午後組だった。通算6アンダー、3位タ イまで順位をあげ てお先にホールアウトした秋葉は、パッティンググリーンでウォーミングアップ中の 先輩に駆け寄り結 果報告。
「やるじゃないか、秋葉」。
「いやいや、まぐれです!」。
いつも、秋葉が良い成績を出すと、決まって佐々木が追い上げてきて逆転されるのが パターンだった。 だが今回、珍しく佐々木が予選落ち。憧れの先輩のいぬ間に、一気にその差を縮めて おきたいところ だ。

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