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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2014

滑り込み出場! 井上忠久が3位タイ

ツアーのシード権を失って久しい井上は、今年5月に行われた今大会独自の最終予選会も、終了時点では出場権も厳しい51位に終わって、ほぼ諦めていた。

開催週の今週も、早くからプライベートなラウンドや、アマチュアのレッスンなど他の予定をぎっちり入れていただけに、先週土曜日にきゅうきょ繰り上げ出場が決まったときには、泡を食った。

ホテルやキャディの手配も慌ただしく会場入りしたゴールデンバレーゴルフ俱楽部も実に10年ぶりのラウンドで、あまりの難しさに度肝を抜いた。

18ホールのうち16ホールで池やクリークが絡むコースは「グリーンのセンターがセンターじゃない」と、起伏のあるグリーンも、ラフからなら乗る気もしない。
しかも、午後スタートのこの日初日は「風が回りすぎてどうにもこうにも。ナイスショットも全部違う方向に飛んでワケわからん」。せめて、刻み倒してフェアウェイキープに徹した。

「このコースでは、どっちみちダボもトリも打つから。ひらすら我慢で笑ってハハハ。しょうがないよ、とやるしかない」と、根っからのプラス思考を駆使して2アンダーで回ってきた。

実に2年ぶりのレギュラーツアーは、主戦場のチャレンジトーナメントで復調のきっかけを掴んだというパットも好調だった。初日の好発進を生かして、ぜひ最終日はこのままV争いに挑戦したい理由がある。

今年から、地元大阪でジュニアレッスンをはじめた。「自分が子どものころは、両親にえらいお金を使わせたから。ジュニアにくらい、タダで教えてあげたらいいやん。それが俺の恩返し」と、無償の奉仕は子どもたちにも大人気で、「今週は、絶対に最終日まで残ってね!」と、懇願された。

日曜日は「日清カップヌードルプレゼンツ」。大会特別協賛の日清食品の協力を得て、大会主催のPGAが行う「PGAジュニアプログラム」の一環として、ジュニアたちが出場選手と手と手をつないで歩くキッズエスコートで、井上の教え子たちも、数人が晴れ舞台を踏む予定なのだ。

最終組から後ろ6組が、その該当組で井上も生徒から、「ぜひ、その組に入って」とおねだりされれば、頑張らないわけにはいかない。しかも、その日8日は自身の38回目の誕生日を迎えるとあらば、なおさら「楽しくゴルフがしたい」。自らを祝う活躍で、教え子たちをも喜ばせることが出来れば最高だ。

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