記事
ダンロップフェニックストーナメント 2015
宮崎合宿の成果を今こそここで!! 竹谷佳孝が単独首位に
初日からさっそく、呼ばれた記者会見は、壇上のふかふかのソファでマイクを握って「僕なんかがおこがましい・・・。今日だけです」。おどけて照れたが、心に秘めた思いは熱い。「今週はどれだけドキドキしても、守らないと決めている。今週は守らずに、やりきる」。
昨年末には左肘を痛めて、それが癒えたと思ったら、今度は肩。そしてこの秋には急な冷え込みもたたって背中を痛めて、相変わらずこの選手はケガのデパート状態も、ツアーに帯同するフィットネスカー「プレジャー」の成瀬克弘トレーナーの献身的なケアを受けて、ゴルフも徐々に上り調子だ。
特にこの日は、「ひらめきがあった」。インパクトで、手が先に出てしまって近頃ショットで右に出ることが多かった。
「今日は手元を遅らせて、体と同調させるイメージで。体の中心でクルクルと回る感じで打ったら球が捕まりだした」と、ショットが復調すれば、もともとアプローチとパターでゴルフを組み立てていく選手だ。
6バーディの65はボギーもなく、危なげないゴルフで2位と2打差の単独首位に立った。
「僕らQTからあがってくる選手には、後半戦は未知数でした」。特に、このダンロップフェニックスは、海外からの招待選手も多く、予選会の選手たちには出場することすら困難で一昨年までは、竹谷も指をくわえて見ている選手の一人だった。
それが堂々と、2年連続の出場を果たして、今年は優勝争いも見据えるまでに成長したのは、3年前からここフェニックスカントリークラブで始まった、JGTO主催のオフの宮崎合宿「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート」だ。
初年度から参加した竹谷は、ハードな強化メニューに1年目こそ、ついていくのもやっとだったが合宿の軸でもある「4スタンス理論」の廣戸聡一先生も見違えるほどに年々、逞しさを増していった。
2年目に、みごとツアー初Vでまず最初の成果を示しても、3年目の今年もやはり、竹谷は若い選手たちと汗を流し、誰よりも高く跳び、誰よりも速く走ってみせた。
「合宿で、初めてこのコースで回ったときは、フェアウェイもラフもベント芝だし、松でセパレートされているし、苦手かなと思った」。しかし、ラウンド実習でここでの経験を重ねていくことによって、「違ってみえるようになってきた。コースにも慣れてきて、隅々とまではいかないまでも、合宿で使わせて頂くことによって、あそこに打って、と回り方が少しずつ分かってきた」と、出場は2年目にしてここで初の首位発進にこぎつけた。
「ここ1ヶ月の内容は悪くない。もうゴルフの内容うんぬんじゃない。あとは気持ちの面なんだろう、と」。毎オフ、仲間と共に汗を流してきた成果をこのコースでこそ、知らしめてみたい。