この日初日に同組でまわった丸山茂樹は、恩人だ。先週のカシオワールドオープン。富田は予選落ちを喫し、一度は諦めた。

今週のツアー最終戦は、１年間の優勝者と賞金ランキングは25位まで（国内のみ）の選手しか出られない。

昨年は、つるやオープンのツアー初優勝で初舞台を踏んだ富田だったが今季は勝ち星がなく、しかも先々週までの賞金ランキングは23位と微妙な位置だった。

にもかかわらず、大事な大会で決勝ラウンドに残れず、じりじりと過ごした週末。
最終日の富田家は、歓喜に沸いた。

賞金ランキング26位の丸山茂樹が、最終ホールでダブルボギーを叩いた。
ギリギリの賞金ランキング25位に食い込めた。ちょっぴり他力本願の、出場権が転がり込んだ。

「滑り込んで入った運を生かして、今週は運尽くしのゴルフをする」と意気込んだこの日初日はスタートから、３連続バーディで飛び出した。

そして、上がりの連続バーディ。最終18番は227ヤードと距離のたっぷりあるパー３に、急勾配のグリーンも４番アイアンで、1.5メートルにつけて、奧から急な下りのフックラインをみごとに決めた。

「触るだけでいい、というような、パーでいい、というような強烈なライン。あれが入ったのは運が良かった」と５アンダーは２位タイスタートに、引き続き幸運を噛みしめつつ、いよいよこの最終戦で念願の２勝目を引き寄せる。

• 富田 雅哉
• 丸山 茂樹