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津曲泰弦がドライビングディスタンス賞受賞

2008年は「諦めないことを学んだ年」。まさにその一言に尽きるだろう。プロ3年目の22歳、津曲は初シード入りを果たしたばかりか、初のドライビング王に輝いた。

社団法人 日本ゴルフツアー機構より記念のトロフィと、全日本空輸株式会社より副賞の『ANA国内線 任意ー区間往復ペア航空券』を受け取って「もう、最高の締めくくりです!」と、笑顔で振り返ったこの1年。

ファイナルQTランク24位の資格で本格参戦した今年、津曲がもっとも脚光を浴びたのは7月の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」だった。

自己ベストの3位タイに、それ以前から仲間内では新顔の飛ばし屋として知られた存在だったが成績でも実力を示してみせて、初シードは間違いないと言われた。

本人も大いにその気になったが、目算は甘かった。
特に、高額賞金が続いた秋のトーナメントで立て続けに予選落ちを喫して、あれよという間に“圏外”に。
いよいよ迎えた自身の最終戦「カシオワールドオープン」を目前に、賞金ランクは77位まで落ちた。
逆転の初シード入りには、100万円ほどが必要だった。
同大会は「最低でもトップ10入り」を目標に戦ったが、その最終日に一度は絶望した。

最終18番で残り50ヤードからサンドウェッジで1メートルにつけてバーディを奪い、通算1アンダーで上がったが、そのときの仮想ランキングではまだ蚊帳の外…。
「あともう少しだったのに!」と今にも泣きださんばかりの本人を諭したのが応援にかけつけたご両親だった。
「まだ他の選手が終っていない。結果を待とう」という声も聞こえず茫然自失…。

しかし、父母の言葉が正しかった。
その2時間後にみごとボーダーラインの73位に滑り込み、土壇場で大逆転の初シード入りを決めたばかりか、その翌週には飛ばし屋日本一に。

ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で、小田孔明が逆転のドライビング王を狙ったが、わずかに足りなかった。
1位を死守した津曲の平均飛距離は296.08ヤード。
2位の小田は295.81ヤード。
「…たったの0.2ヤード差ですよ」と、地団駄を踏んだ小田。
津曲には、まさに二重の喜びとなった。
「最後まで諦めなかったらこういうこともあるんだと…。最後は、運にも恵まれた」。

土壇場の栄冠に、思いも新たに「来年は、このラッキーを生かしたい」。
このオフは「太りすぎ」と本人も反省する85キロの体重を、開幕までに70キロ台まで絞って臨む計画だ。

理想は、どんな状況でも息切れしない逞しい身体。
そして、来季も持って生まれた185センチの長身は存分に生かす。
「やっぱり飛距離で勝負する。今の僕には、それしかないですから」と、笑う。

早くも周囲からは打倒・津曲の声が聞こえてくるが2年連続のドライビング王も、もちろん譲り渡す気はさらさらない。
かつ、安定したショットを確立し、常に上位で争える選手になる。
シード権の確保も、いちばんの目標のツアー初優勝も、すべてはその先にある。

津曲泰弦(つまがりたいげん)
1986年5月15日生まれ、宮崎県出身。父・義弘さんの手ほどきで、9歳からゴルフを始める。同時に少年野球チームにも在籍していたが「ゴルフのほうが面白い」と、プロゴルファーを目指した。
2006年にプロ転向。昨年のファイナQTランク24位の資格で今季より本格参戦。
今季は7月の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で3位に入り、初シード入りを確定させたかに思われたがそのあと思うような結果が残せず最終戦のカシオワールドオープンでは大いに泡を食った。
最後まで薄氷を踏む思いで4日間を戦って、みごと逆転の初シード入り。
また平均296。08ヤードを記録した飛ばし屋は、ドライビングディスタンス賞も獲得して二重の喜びとなった。

  • 12月8日のジャパンゴルフツアー表彰式。受賞者の記念撮影で津曲は、永久シード選手の青木功(右)の隣で満面の笑み・・・!!
  • プロなら誰もがうらやむドライビングディスタンス賞受賞の津曲に、さっそく飛ばし屋・武藤(右)も宣戦布告「来年は負けないぞ・・・!!」

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