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日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2012

QT組の沢田尚(さわだひさし)が好発進

この日のウェアは白のウェアに真っ赤なパンツ。まるで石川遼の勝負服には本人も、「けっこう年なのにね」と、照れ笑いの43歳は、「でも、今日の服で、以前アンダーパーが出たので」と験担ぎが効いて、3アンダーは7位タイの好スタートを切った。

初日はトップスタートの6時半のティオフで、早朝3時半に目覚まし時計をセットした甲斐もあった。予選ラウンドからのワンウェイスタートも、まだ半数以上の組がスタートさえしていない11時前に、好位置で上がってきた。

ファイナルQTランク26位の資格で9年ぶりに、出場権を取り戻した今季も、沢田には悲報が続いた。
実家の左官業を継ぐ意思もなく、プロの道に進んだものの、いまだシード入りもままならない息子を資金面でも支えてくれた両親をわずか2週間の間に2人とも亡くした。

4月26日に、享年73歳で急逝した母親のしま子さんの後を追うように、闘病生活を続けていた父親の勇雄さんも、5月8日にこの世を去った。

2003年は、新潟オープンの2日目に首位に立った息子の勇姿を見ようと、実家の愛知県阿久比町からはるばる応援に来てくれたこともあった。今ではそれも叶わない。

今季は、「出来るだけたくさんの試合で予選通過をする」と決めてスタートしたが、それでもこれまで5試合に出て、まだ開幕戦の1試合しか実現できておらず、生前はいつも「落ち着いてやれ」と、励ましてくれた天国の両親に「頑張っている姿を見せられればいい」と、このツアープレーヤーNO.1決定戦での活躍を、何よりの供養にしたい。

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