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カシオワールドオープン 2009

シード復活組は…

今年は、ベテラン勢によるシード復活が特に目立った年でもあった。
米ツアーから復帰したばかりの丸山茂樹をはじめ、立山光広や48歳の井戸木鴻樹に金鍾徳、54歳の室田淳など、若い賞金レースを横目に40代、50代の健闘が光った。

その中で賞金ランクは70位に滑り込み、3年ぶり3度目の復活を果たした38歳の河井博大がいる。

ここ3週間は本当につらかった。
シード復活を間近にしながら、秋のビッグイベントの三井住友VISA太平洋マスターズと、ダンロップフェニックスに出られない「はがゆさ」。
その間にどんどんランキングで抜かされて、気が気ではなかった。
「あとは思い切ってやるしかない」。
ようやく出番を迎えたこの事実上の最終戦も、良い意味で開き直って予選通過を果たしたものの、最後まで気が抜けなかった。

そんな苦しい日々を乗り切って、喜んでいいはずなのに、河井はなぜか浮かない顔だった。

田中秀道のことが気にかかっていた。今年、特別保障制度を適用してシード復帰を目指した“師匠”は来季の出場権が与えられる上位70人に入れなかったからだ。

その心境は、察するにあまりある。

河井が2回目のシード落ちを喫したのは2007年。しかもその年は、ファイナルQTでも予選落ちをして「へこんでへこんで、へこみまくった」。

そのとき「お前ならやれる。絶対にまたツアーに帰ってこられる」と、力強い言葉で励ましてくれたのが田中だった。

ファイナルQTランクは8位の資格でようやく出場権を取り戻した今年はなおさら、その存在にどれほど助けられたことだろう。

恩人がいま、あのときの自分と同じ立場に立たされていると考えただけで、胸が詰まる思いがする。
今まで2度もシード落ちの憂き目を味わってきた河井には、「その厳しさ、つらさが人一倍分かる」。
今度は自分が田中の力になりたい。
しかし、次週は12月の2日(水)から6日間の日程で行われるファイナルQTに挑む田中には、弟子の立場で「何を言えることがあるでしょうか……」。

あとはもう、祈るしかない。
師匠が無事、来季の出場権を確保できること。「そして、来年もまたぜひ一緒に頑張らせてもらいたいです」。弟子の願いが届くといい。


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