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住友VISA太平洋マスターズ 1999

鈴木規夫ディレクターの『大会みどころ』

 今年のみどころは、まずなんといっても、神の子・エルニーニョと呼ばれるセルヒオ・ガルシアでしょう。初来日で、ここ御殿場をどう攻略してくれるのか、私も非常に興味のあるところです。

 彼の対抗馬としてはコースとの圧倒的相性の良さを誇る、昨年から3連覇のリー・ウェストウッド。今年のマスターズチャンピオンのオラサバルもしかり、興味は尽きませんね。

 世界の強豪に対して、我らが日本のツアープレーヤーがどんなプレーを展開するのか…丸山茂樹、田中秀道、細川和彦、そして、ジャンボ尾崎。日本ツアーのプライドをかけて、ぜひ、優勝を狙っていってほしいものです。

 さて、コースのみどころですが、私個人としては、お客さまがコース観戦するときに必ずチェックしてほしいと思うのが1番のティグラウンドです。

 ここで観戦して面白いのが、各選手のその日の調子が、わかる点。

 たくさんのギャラリーに囲まれてスタートしていくときの選手の心理状態というのは、どんなにたくさん経験を積んだ選手でも、やっぱり非常に緊迫して揺れているものなのです。

 不安な気持ち、自信に満ち溢れた気持ち、その日コースをどんなふうに攻めていくのか、策を練る表情など、微妙な心の機微が手に取るようにわかる場所、それが1番ティなのです。このホールを押さえたら、次ぎは”行って、戻って”きたプレーヤーの心理が如実に見れる、18番。

 517ヤードのパー5は、グリーン奥のスタンドから、第2打地点、第3打地点が見られます。ここで選手が『攻める』のか『守るのか』、18ホール、さらには72ホールのシメに来て、選手がこのホールをどう攻略するのか、ぜひ見届けてほしいと思います。

 景観的には、6番ロング、14番ミドルなど、どれも池がらみのホールでグリーン奥から富士山がきれいに望めてとっても気持ちいいホールです。また、17番ショートは、天気に恵まれればグリーン前の池に逆さ富士が映る絶景ホール。チェックしてみてください。

 今年の御殿場のコースコンディションはいつもながら、非常にすばらしいです。クオリティの高さは間違いなく一級品。11月はじめの大雨でグリーンはすこし柔らかめの仕上がりとなりましたが、それでも、最高の転がり具合を見せています。

 あとは、ここで選手が一流のプレーを見せてくれれば、今回の“舞台設定”設定はほぼ完璧。最後の仕上げは、そう、お客さまです。

 選手たちは、お客さまが多ければ多いほど、燃えていきます。お客さまに、プレー内容が左右されるといっても過言ではありません。実際、私もここでプレーしたとき(1979年、1980年連覇)は楽しくて仕方ありませんでした。お客さんの拍手が、声援が嬉しくて、ますます張りきってプレーしたものです。

 どうぞ、選手の好プレーには、盛大な拍手をしてやってください。

 拍手の声援が多ければ多いほど、選手はますますナイスプレーで、お客さまを喜ばせてくれることでしょう。

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