昨年はファイナルQT29位の資格でデビューをしたが、開幕戦「東建ホームメイトカップ」の出番はなかった。
「いつもテレビで見ていた試合です。今年は最初から出られますので、初出場できるのは嬉しいですし、そこで良いスタートダッシュができると自信がつくし、いいプレーをして上位に行ければいいなと思っています」と、語る口調に気負いはない。
昨季賞金王の中島啓太や賞金2位の蟬川泰果と同じ00年生まれ。
「まだまだ、自分の実力は彼らに遠いと思いますし、早くそこに追いつけるように」と、控えめだが昨年のプロ初戦「関西オープン」では最終日にホールインワンを達成するなどして華々しく3位の滑り出しをした。
さらにその翌週にはABEMAツアー「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘」と、「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」で2試合連続優勝を達成。
24年の出場資格を早々に確保すると、レギュラーツアーでも真夏に4試合連続のトップ10を記録した。
あっさりと初シードも不動にしたばかりか、シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場権も、前週の「カシオワールドオープン(32位)」で最後のひと枠に飛び込むなど、鈴木も何かとドラマチックな23年だった。
前JGTO会長の青木功がシーズン最後に中島と、蟬川と、賞金3位の金谷拓実と合わせて「NSK」と命名したが、鈴木の「S」を取っても、晃佑(こうすけ)の「K」を取っても「どっちでも、かぶりそう・・・・・・」と、ニコニコ。
今季、ちゃっかり入れ替わるのも夢ではない。
アマ時代から続く(中島=)N・S(=蟬川)の活躍はもちろんだが、鈴木も相当なものだった。
西武台千葉高校2年の2017年に「日本ジュニア」制覇。
東北福祉大では「日本オープン」で、20年の初出場から3年連続で決勝進出した。
22年には難関の大洗で行われた「アジアパシフィックダイヤモンドカップ」で最終日に「63」。7打差の19位から1打差2位と、優勝の今平周吾に詰め寄るなど、鈴木も中島や蟬川みたいなアマVの、一歩手前を経験している。
最初は家族と楽しむために始めたゴルフだったが、ジュニアですぐ知られる存在に。
ほぼ独学で覚えたが、同じ練習場に通うご縁で石川遼の父・勝美さんに習った時期もあるそうだ。
「強み」と自負するパットに加え、大学4年時から見てもらう伊藤トレーナーと下半身強化につとめて「ショットにも安定感が出て来た」と、自信も出てきた。
同じ千葉県野田市出身の可愛い後輩プロが誕生したのはつい先日。
3月19日に、史上最年少の15歳でプロ転向を表明した香川友(かがわ・とも)の存在を知ったのは、香川が中学1年生のとき。
「大学コーチが大学に友くんを連れてきて。仙台で一緒にラウンドしたのが最初です」。
以来、香川がアマ出場したトーナメントで練習ラウンドするなど交流があるといい、「まさか、中学を出てすぐもプロになるとは」と、その決断には驚くものの、「飛ぶけど曲がらないですし、当時から中学生とは思えないゴルフをしていました」と、一目置く。
「これからは同じプロとしてプレーできるので、とても楽しみ。お互いに野田市出身者として、地元の力を出していければいいな、と思います」。
2024年もまた刺激に事欠かない。