「良いところを見せられたら」と、歴代覇者の小鯛竜也(こだい・たつや)の気合が入った。
神戸市西区の自宅から、コースまで車で40分ほど。
その道中にある近隣の兵庫県三木市に小鯛がジュニアのためのゴルフスクール「BFSゴルフアカデミー」を設立したのは昨年。
頭の「BFS」は「Birdie For Someone(バーディ・フォー・サムワン)」の略で、コロナ禍中で選手会の副会長に就任した一昨年に、「児童虐待ゼロ」を掲げてスタートさせた自身の貢献活動とリンクさせている。
「プロゴルファーを目指す子たちの技術向上はもちろんのこと、純粋にゴルフを楽しいと思って興味をもってくれる子を増やしたい」という小鯛がスクール設立時にこだわったのは、ゴルフと勉強の両立だ。
自身も、二児の父親。
たまの休みに子どもたちの様子を見ていると、習い事に追われて寝る時間もない。
「お母さんは子どもたちのごはんも作らないといけないし、宿題を見てあげる時間も持てない」。
慌ただしい家族の日常を見ていて、ゴルフレッスンと学習塾をセットにしたスクール開校を思いついたという。
1回2時間のカリキュラムのうち、最初の1時間がゴルフで、後半が勉強の時間。
2階建ての“校舎”は階下が打撃場で、上階が勉強部屋と、きっちりと分けてある。
「ゴルフだけやって“さよなら”はだめで、クラブは持ってきたけど“ノートや筆記具は忘れました”もNG」と教材は必須。
スクールではPGAツアーの帯同経験を持ち、小鯛のプロコーチもつとめる谷川健コーチを“校長”に据えた講師陣と共に、家庭教師も常駐。
ゴルフ×学習塾という世間でも珍しいスクールで、地元自治体からも熱い視線を浴びている。
開校時からお子様をスクールに通わせているというご両親は「勉強も見てくださるのでとても助かっています。ゴルフはまだ習い事のひとつですが、本人が興味を持ってくれるのなら本格的に、と考えています」と、話す。
生徒たちの声援を一身に受けて“小鯛先生”も「気合いが入ります」と、発奮。
「このコースに来ると良いイメージがありますし、調子もあがってきている。2017年にここで優勝させていただいたときよりかは飛距離も伸びて、ゴルフの手応えもある。男子ゴルフもレベル上がっていますが、それに負けないようにやれたら」と、勇んでコースに出ていった。
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