選手会のファンプロジェクト担当理事は、たとえ無観客でもエア・ファンサービス。
小鯛竜也(こだい・たつや)の前半最後の18番。
右ラフからの2打目は木が邪魔をして、刻むのも難しい状態。
「むしろグリーン方向しか空いていない」と、2番のハイブリッドを持って迷わずピン方向に向いた。
220ヤードから、40センチにくっつけOKイーグルを奪った。
誰もいないグリーン周りは、関係者の小さな拍手が聞こえただけ。シンと静まりかえったままだったが、それでも観客がいるみたいに何度も何度も手を振った。
「気持ちだけでも盛り上げて行こうかな」と、「67」で回った。
首位と2打差の4位タイにつけた。
この日は、同組の香妻陣一朗も「66」で回り、無観客が惜しいような伸ばし合いを演じた。
「なかなか、声援が無いというのは寂しいですけど、コロナ禍の中で、大会を開催してもらっているだけでもありがたい」。
時松隆光がまとめるジャパンゴルフツアー選手会で、副会長とファンプロジェクト担当理事をつとめる。
要職の歴代覇者が、無観客でも心をこめてプレー。
今年はまだ860万円あまりで賞金ランクは74位。
シード落ちの危機を肌身に感じてはいるが、「ありがたいことにあと4試合あるし、賞金もすごい高い試合が多いので、そこはチャンス」とプラス思考で挑んでいる。
プロ10年目の2017年に、ツアー初優勝を飾った思い出の試合。
コロナによる昨年の中止を経て2年ぶりの開催でも「練習ラウンドをまわってる時からイメージが良かった」と、当時の記憶を頼りに好発進。
「速いグリーンも好きだし、球筋とか、コースマネジメントはしやすい」と、相性の良さもさっそく再実感できた。
米二部ツアー挑戦による隔離で戦線離脱中の石川遼のエースをつとめる佐藤賢和キャディと今週、初タッグを組み「相性がいい」と、初日から息ぴったり。
「攻め方とかも、いろいろと対等に相談できるのがいい」と、2人で力を合わせて大会2勝目をつかみに行く。