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日本プロゴルフ選手権 2009

山下和宏は「何があっても慌てない」

500ヤードと距離の長いパー4は前半の11番や、501ヤードの15番パー4でボギーを打ったが気にしない。この日のタフな天候ならば、なおさら「ここはパー5だ」と言い聞かせ、パー70も「今日はパー73だと」。

最近のテーマである「焦らず、騒がず、凪の心」を常に忘れず、ピンチも軽く受け流すと後半で、きっちりと取り返した。

5番、7番、9番でバーディを奪い、この日イーブンパーは、通算3アンダー。
先週に引き続き、絶好の位置で最終日を迎える。

シード元年の今年はすでに2度、チャンピオンと同組で回っている。まず最初が開幕戦の東建ホームメイトカップだ。

最終日最終組で回った小田孔明は、圧倒的な飛距離を武器に、攻めのゴルフでツアー2勝目を上げた。
先週のUBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズはやはり、山下とともに最終組の一つ前からスタートした五十嵐雄二が、守りのゴルフでメジャーを制した。

本人はといえば、いずれも早々に優勝争いから脱落して「参加出来ずに終わった」が、そのような場所でラウンド出来るようになったことを「成長の証し」と前向きに受け止め、「自分なりにステップアップしていると信じて、経験を生かしたい」。

特に、共感したのは五十嵐のゴルフだった。
あまり飛距離の出ない山下は、ひらすら我慢で山場を乗り切った五十嵐に自分の姿を重ねた。
粘りに粘った上がりホールのプレーを目に焼き付けた。
「こんなふうにやれば僕にも出来るかもしれない」と、そう思えたという。

「今週は、最後のハーフで狙える位置にいられるように…。最後の最後に、優勝争いに参加したい」。
そして1日36ホールの長丁場は「何があっても慌てない」。

どこまでも、凪の心でプロ日本一を目指す。

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