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中日クラウンズ 2009

藤田寛之は4打差2位に

この日3日目は、8番まで「和合に負けそうになっていた」。チャンスホールの出だしの1番、2番でも獲れず、ずっとパーでしのぐ我慢のゴルフ。

なんとか流れを変えようと、9番からイメージを変えた。
「脇を閉じて、体のターンにクラブがついてくるスイング」。
本来のスタイルに戻したことで、チャンスが巡ってきた。
それまでの鬱憤をはき出すように、後半に4バーディ。

特に難しいホールが続く13番から3つスコアを伸ばした。14番からの3連続バーディで、息を吹き返した。
片山晋呉が同組なのも良かった。
師匠の芹澤信雄の「次に」と律儀に前置きしながら、4つ下の後輩は「大好きな選手」だ。

「ハニかむのも良いけれど、自分のイメージではプロは職人でなければいけないと思っているから」。
その点で片山は、ゴルフへの取り組み方や考え方など、すべてが尊敬出来るのだという。そして、回ったあとに質問をしたら、惜しげもなく教えてくれる懐の大きさも大好きだという。
「一緒に回ったら、いつも嬉しくなっちゃって。自分のゴルフまで良くなる」という。

賞金王の見えない力にも後押しされて通算9アンダーは、首位と4打差の単独2位に「良い位置です」と満足そうだ。
この中日クラウンズは11年連続出場で、予選落ちなし。
優勝争いにも幾度も絡み、破れこそしたが昨年は近藤共弘とプレーオフに臨んだ。
経験豊富な分、和合の怖さは知っている。

「このコースで最終日にトップは怖い。このくらいの位置がちょうどいいんです」と藤田。
そして「和合の神様には“もうそろそろいいでしょう?”と」。
勝てば、50代目のチャンピオン。
これまで、何度も悔しさに耐えてきたご褒美には申し分ない称号だ。

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