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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2009

W杯帰りの藤田寛之が首位タイ

初日から雨、風、寒さに見舞われて途中、気持ちが萎えそうになった。「滑ったりしてドライバーはぼろぼろだし、普段よりも3番手は飛ばない」。

9番は200ヤードの第2打でスプーンを持っても届かない。
「大きなミスをしないようにするので精一杯。この天候だし、気持ちに張り詰めたものもないし。(ゲームの)組みたてとかもなく、内容のない1日だった」と、自分にダメだしばかりだ。

ますます雨風が強まった後半は、もやが立ちこめる薄闇の中、「15番あたりから、早く家に帰りたいとさえ思った」。
先月の19日に、次男の和己(かずき)くんが誕生したが、連戦続きでまだ腕にさえ抱けていない。いまはもっぱら妻からの写メールで楽しむしかない愛息への思いが、悪天候のこの日はいっそう募った。

それでもなんとか気持ちを切らさずにゴールが切れたのは、世界で戦った興奮がまだ、胸の奥でうずいているから。

今田竜二とともに、日本代表として参戦した中国・深センで行われたワールドカップから、今週月曜日に帰国したばかり。
大健闘の末に単独5位に入った。
「あのときの良い緊張感は残っている」。

苦しいラウンドの中でも、「リカバリーが良かった。1打1打集中してやれたと思う」。
大舞台で戦い抜いたという手応えを帰国早々のこのツアー最終戦でぶつける。
「子供には、10日頃に会えるかな?」。
帰宅を待つ家族に胸を張って今季3勝目の報告が出来ればいい。

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