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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2009

池田勇太は「俺のゴルフを見に来い!」

首位と12打差の20位にも、この男は最後まで、奇跡を信じる。逆転の賞金王は、この最終戦の優勝が、ただひとつの条件だ。

「確かに厳しいな」と一応は認めた上で、この日も腰の痛みのために、立ったまま臨んだ会見で、仁王立ち。
「毎日言っているけれど。何が起きるか分からないのがこの世界。明日も自分に期待を持ってやろうと思う」。

日々、熱い気持ちをたぎらせて、68をマークしたこの日3日目。
悔やまれるのは、「素人みたいなゴルフをした17番。そこだけ」と、憮然と言い放つ。

535ヤードはチャンスホールのパー5で、アプローチを大きくオーバー。奧のラフから寄せきれず、痛恨のボギーを打った。
奧のピン位置に対して「突っ込んでいかないといけないという気持ち」。
また「あわよくば入れ」という思いから、ボールを強くヒットしすぎた。
「……無駄なことをしていますね」と、反省しきり。
「今日は本当に途中まで、いいゴルフだったから。唯一悔いの残るのが17番!」。
しかし「嫌なことは3歩で忘れる」。
根っからのプラス思考は、手痛いミスもすぐ消去。
「終わってしまったことはすぐに忘れて明日また、頑張ればいい」と、前を向いた。

10月に痛めた右手甲は、いつしか腰にまで影響を及ぼして、毎日背中はテーピングでグルグル巻きだ。
さらにこの日は背中と腰、両手と合わせて4つのカイロが手放せない。

本来ならば出場を見送るべきの状態も、「ファンの声と、最後までやりきりたいという思い」。だたそれだけに支えられ、執念のプレーを続けてきた終盤戦。

それももう、あと1日だ。
「泣いても笑っても明日が最後。2009年を締めくくる上で、気持ちの良いラウンドをする。だから明日も俺のゴルフを見に来い!」と、熱い言葉で呼びかけた。

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