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カシオワールドオープン 2009

そして賞金王争いも、ますます熾烈に…!!

賞金ランクは3位につける片山晋呉がいよいよ目覚めたいま、若い2人もうかうかしてはいられない。賞金ランク1位を走る石川遼はこの日、ティショットで半分しかフェアウェーを捉えられない。

前半の12番では、崖下に落としてボギーが先行。
フェアウェーキープ率も出場102人中83位に留まって、この日も、取材のため会場を訪れていたマラソンの高橋尚子さんの質問にも「ドライバーショットの出来は30点」と、応えるしかなかった。

「肩の回転がぶれていて、腰の高さからボールに当たるまでの何十センチかのスイングプレーンが、内から入りすぎていたり、外からだったり。そのせいで、フックしたり、スライスしたり……。今日は、気持ちよく振れたショットがなかった」。

それでも、後半は5つのバーディで盛り返した。
ティショットで安定性を欠いた分、「いまは、ドライバーよりも自信がある」というアイアンショットやパッティングで補った。

「おかげで、予想よりも良いスコアで上がれた。これを、明日につなげたい」。

ホールアウト後は「ショットでこういう感じかな、と思うところがあるので」と、練習場に直行。
併設の「エクシリムワールド」は、カシオのハイスピードカメラ「エクシリム EX-F1」をパソコンにつないでハイスピード動画が見られる「スイングチェックコーナー」で、昨年と現在のスイングの比較を同画面で見せてもらうことが出来た。

「昨年の今頃よりも、むしろ曲がっているかもしれない。でも去年のスイングは捻れているようで、実はちゃんと捻れていなくて。今年のほうが、効率よく捻転差を作れている」と、成長のあとを実感することも出来た。

「ラウンド中に、自分が感じていたことも間違っていない、と感じることが出来て。いまは曲がっているかもしれないが、次に真っ直ぐ行くようになったとき、今より10ヤード飛ぶようになっているかもしれない。それを信じて明日からも、思い切って行きたい」。

そして、賞金ランク2位は約700万円差で追う池田勇太は、インタビュールームの椅子にさえ座れない。

右手甲から波及した左腰痛は、一度しゃがみ込むと立ち上がるのも難儀で、「こうしてもいい?」と、パイプ椅子を後ろにひっくり返して、背もたれの部分にちょこんと腰掛ける苦肉の策で会見に応じた。

それほどの症状にもかかわらず、3アンダーの16位タイに「この体にして、上出来だと思う」。
まして前半の17番は、残り170ヤードから8番アイアンで4メートルにつけた上りのフックラインを決め、さらに18番パー5では、235ヤードの第2打がユーティリティの3番で「入りかけ」。
あわやアルバトロスのイーグルトライは、4メートルの下りスライスをねじ込んだ。
「あそこで流れが変わった」と、手応えのあるラウンドに、日に日に表情も明るくなっていく。

普段は烏の行水が、今晩も「30分は浸かる」という長めの風呂と、トレーナーのマッサージに電気治療と、出来る限りの治療を尽くして再び万全の体勢で勝負に挑む。

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