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三井住友VISA太平洋マスターズ 2009

今野康晴がウィニングボールを捧げたい相手は

「きちんと“いまのさん”とみなさんに呼んでいただけるようになったことが嬉しい」とは夫人の崇乃子さん。最終日は記録的大ギャラリーに本人も感謝の気持ちをを
10月の日本オープンは、プレーオフで6戦全敗。不名誉な記録更新にも妻の崇乃子さんは、「あのプレーオフがあったから、夫はきちんと名前を覚えてもらえるようになった」と喜ぶ。
小田龍一と、石川遼との三つ巴の戦いは、2ホールに及ぶ激闘で、インパクトは絶大だった。
デビュー当時から、名字の「今野」を「こんの」と呼び間違えられることが多く、いちいち言い直すのも面倒くさくて本人はほったらかしにすることもしばしばだった。

それが、「遼くんと戦ったおかげで、きちんと“いまのさん”と呼んで下さる方が増えて」(崇乃子さん)。
この日も、最終日としては今季最多の1万8000人の大ギャラリーが駆け付け、終始ゲームを引っ張るリーダーに、「いまの〜!!」と、大声で名前を呼び、応援してくださる方がどれほどいてくださったことか。

「みなさんの声援に、支えられました!」。
そう感謝したチャンピオンはしかし、ウィニングボールの催促にはどうしても応えることが出来なかった。
これまでは、いつも真っ先に差し出してきた世話女房にさえ渡さない。
今回ばかりは他にプレゼントしたい大切な女性がいた。

10月10日に、肝硬変のためこの世を去った妻の母の河路芳江さん、享年64歳。

結婚して、妻の実家近くに移りすんでからは特に家族揃って世話になり、今野も大好きな義母だった。それだけに、訃報後のツアー参戦となった日本オープンは「今まで以上。何が何でも勝ちたかった」。その気負いがかえって、災いしたのかもしれない。

今度こそ、そっとポケットにしまい込み、「これでようやくお母さんにお供えが出来ます」。
さっそく恩人の墓前に優勝報告しにいく。
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