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三井住友VISA太平洋マスターズ 2009

賞金ランクは2位に後退した池田勇太は

中国・上海から帰国してすぐ相当の覚悟を持って、ここ御殿場にやってきた。「出るからにはトップ争いをする」。
そう言い切っていただけに、この日は強風の中、急に風向きが変わった14番で池に入れてダブルボギーを打つなど、通算イーブンパーの45位タイフィニッシュには納得できるはずもない。
「腑に落ちない結果です」。
おまけに、再び石川遼に賞金ランキングで抜かれた。
約550万円差をつけられて、ランク2位に退いた池田には、この先3試合でなおいっそう苦渋の選択が待ち受ける。

いずれが頂点に立っても史上最年少の若き賞金レースは、ここにきて片時も目が離せない状況に「期待に応えたい気持ちはある」。
しかし、そう思うほどに言うことのきかない体に、もどかしさはいっそう増してくる。

痛めている右手首の状態は快方に向かっているが、かばってプレーしている分「他の部分がぼろぼろで」。
右腰に右肩。さらにホールアウト後は心持ち足も引きずっているようで、まさに満身創痍の状態に、このまま無理をおして出場を続けることはどうなのか。
「いっそ、この先全部、やめたほうがいいのかな、とも思っている」。

池田がこれから残り3戦とも欠場する考えもあると発言したことを知って、いちばん動揺したのが石川だった。
「それは……。びっくりしました」と、絶句した。
「もし本当にそうなったら、試合に池田さんがいないのは寂しいと思う」。
しかし、怪我を負いながら周囲の期待に応えていかなければならない池田の心情も即座に汲み取り、「僕が池田さんでも、中途半端がいちばん嫌だと思う。僕も、出ると決めたらとことんやりたい」。

池田も、それが出来ないから悩んでいる。
「いったん、家に帰ってどうするかよく考えようと思う」。
次週も若大将の元気な顔が見られるといいのだが。

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