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マイナビABCチャンピオンシップ 2009

ディフェンディングチャンピオンは4位タイ

ホールアウトするなり練習場に直行した。「今日は4アンダーで回れるような内容ではなかった」。特にティショットだ。
「トップからの切り返しのタイミングが合わずにフックして飛んで行くことが多くて。このコースで4アンダーを出すには、もっとドライバーが安定していないと難しい」と、4位タイスタートにも納得しない。

「スピードが出ていなくて、ヘッドが先行して当たってしまっていた感じ。丁寧にタイミングを作ろうとしすぎているところがあった」と反省し、さっそく修正に励んだ。

「まだ完璧ではないけれど。明日の朝もう一回やらなきゃ」と、課題はひとまず持ち越して、再びクラブハウスに戻ってきて記者会見に応じた。

ゴルフの出来に、しきりに首をかしげながらも好発進に、この1年間の確かな成長のあとがある。
ボギーを打ったあとの15番で、ティショットを右の林へ。
だがそこから冷静に、松の木越えでフェアウェーに戻し、3打目はウェッジで確実に乗せてパーを拾うなど、ミスの連鎖は確実に食い止める。

また左の崖下に落とした6番パー5でも、木と木の間を抜いて脱出し、第3打をピン下3メートルに。
ピンチから一転、チャンスに持ち込みバーディで切り抜けた。
「ドライバーが曲がっても、そこからパーセーブしたり、バーディチャンスを作ることがいかに大事かということが分かった1年間」と、すでに今季4勝の若き実力者はスケールの大きなゴルフはそのままに、ベテラン並みのしぶとさが加わった。

16歳のツアーデビューから2年。コースのレイアウトやグリーンの形状に加え、4日間の自身の足跡を残したコースメモは試合が終わるごとに段ボールに詰めて大切に保管してある。

大会ごとに昨年のものを取り出して練習ラウンドで見比べてみても、その差は歴然としている。
「2年前から比べると、使うクラブが1番手は飛ぶようになっている」と、はっきりと目に見える成果に自信は深まっていく。

昨年は、ABC名物の高速グリーンに度肝を抜いて、1日2アンダーを目標としたものだが、それさえも「あのときの僕にはものすごく大きな目標だった」と、振り返る。
しかし、今ではたとえ本人には不本意なゴルフでも、平然と6バーディで上がってこられる。
連覇を狙うこのホスト試合は「1年の中でも特別な大会。早く戻ってきたかった」と、初日から気合いも十分。
「明日も気を引き締めていきます」と、狙いにまったくブレはない。