初日は通算１オーバーの90位タイと、大きく出遅れながら、２日間でここまで盛り返してきた。10番ティから出るいわゆる“裏街道”からのスタートながらごぼう抜きで優勝争いに加わった。

いつもプロキャディを連れてくる選手が今週は、実に５年ぶりくらいにハウスキャディさんを指名した。
ツアーを開催するコースで唯一の高麗グリーンには毎年、苦しめられてきた。
「これまで良いスコアを出した記憶がまったくなくて」。

ここ芥屋のベテランキャディさんにはもちろん、グリーン攻略の役割を期待したと同時に、「イライラしなくて済むようにしたかった」という。プロキャディを連れてくると、どうしても完璧を求めてしまう。普段付き合いの深いキャディの場合はなおさらで、「外してつい当たってしまったり……。そういうのを避けたかった」と説明した。

しかし今週、初対面のハウスキャディさんならそうはいかない。初日に30センチのパットが「カップを触りもせずに外れた」が、笑って済ませることが出来た。

２日目は１メートル以内のパットを３回も逃したが、やっぱり怒らなかった。
「それよりも、ゴルフ以外にいろいろ会話しながら楽しく回っています」と感謝する。

そしてこの日ハウスキャディさんと約束したのが、「パッティングでいくつカップをオーバーしていけるか」ということ。
目が強い高麗芝は、たとえば５メートルのチャンスもベントグリーンなら５メートルをジャストタッチで打っていくが、1.5メートルくらい長めに読むという選手もいるくらいだ。

それほど強気のタッチが必要とされる芝質に、「常に40センチオーバーしていくつもりで打とう」と話し合い、二人三脚でスコアを伸ばした。

「明日も、何個カップをオーバー出来るかな」と話す様子はどこか楽しげだった。