Tournament article

VanaH杯KBCオーガスタ 2009

伊藤誠道くんは初イーグルに「石川先輩の気持ちが分かりました」

14歳と20日の史上最年少予選通過を目指す伊藤くんは、「練習ラウンドから、アドレナリンが出っぱなしで」と、笑う。気合い十分で迎えたこの日初日は、ツアー2戦目にして自身初のイーグルも飛び出した。

前半の18番は「グリーンのセンター狙い」のはずだった第2打が、残り230ヤードのピンに向かって一直線。
本人も、「入りそうな気配がした」という手前エッジからのイーグルトライをねじこんで、「相当気持ち良かった。石川先輩の気持ちが分かった」と、喜ぶ様子は無邪気そのもの。

近頃では、毎日3キロのランニングを欠かさず、スイングやクラブのスペックを変えたり、日々試行錯誤するうちに、ツアー初出場を果たした昨年11月のキヤノンオープンより「20ヤードは飛距離が伸びて、イーグルも出るようになった」とさっそく、成果を示した。
中学校では陸上部に所属。100メートル走を12秒1で走る少年は「スポーツなら任して」と豪語。

しかし、宿題の経過を聞かれると「勉強のことには、あまり触れないでください」。石川も「誠道はゴルフが好きで、興味を持ってやっていたことを覚えている」と証言したとおり、夏休み最後の週も、やっぱりゴルフのことで頭がいっぱい。

ツアーはこのあと、9月のANAオープンと、アジアパシフィックパナソニックオープン、10月のキヤノンオープンと日本オープンの出場を予定している伊藤くんは、「全部予選通過するつもり」と、欲張りだ。

この日は最終9番でボギーを打って、目標にしていた「1日1アンダー」はかなわなかったが、「明日は、今日取れなかった分を取り返す」と翌2日目はイーブンパーの78位からの巻き返しを誓っていた。

伊藤くんのほか、今大会主催の九州朝日放送を含むテレビ朝日系列3社が推し進める「ジュニア育成プロジェクト」の一環で、3人のジュニアが出場している。

杉並学院高2年生で、石川遼の1年後輩の中里光之介くんは伊藤くんと並んでイーブンパーの78位タイ。
福井工業大付属福井高3年の森博貴くんは、通算2オーバーの104位タイ。
日章学園中3年の香妻(こうづま)陣一朗くんは、3オーバーの124位タイにつけている。

ジュニア育成プロジェクト
朝日放送、瀬戸内海放送、九州朝日放送のテレビ朝日系列3社が2006年から実施。3社がそれぞれ主催する各トーナメントが指定するジュニア大会で、好成績を収めたジュニア選手に出場権を与え、プロの大会を体験してもらおうという試み。

関連記事