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ANAオープン 2008

篠崎紀夫「そろそろエンジンをかけたい」

思い出の舞台でもういちど“篠プロ”の存在感を示したい!!
思い出の舞台に戻ってきたディフェンディングチャンピオンが、しみじみとつぶやいた。「1年て、ほんっとに早いスね〜」。プレーオフ5ホールの死闘を制し、悲願のツアー初優勝に涙した日のことは「昨日のように思い出される」。
あれから1年も経ったという実感が持てず、しかも「稼げないまま1年経ってしまった」と、苦笑する。

初シード入りを果たした今年は、開幕からのスタートダッシュをもくろんだ。
「早いうちに結果を残す」と気合いが入ったが2戦目のつるやオープンで思いかげないアクシデント。
ラウンド中にうっかり石を踏んづけて、足首の靱帯を損傷した。

ケガをかばいながらのラウンドでは良い結果が望めるはずもなく、シーズン前半戦のほとんどを棒に振ったかっこうだ。

その痛みも、今ではショートゲーム時に感じる程度に収まりつつあるが、かばいながらラウンドしていた影響はスイングに出た。
「すっかりリズムを崩してしまって・・・」。
夏はその修正にほとんどの時間を費やして、なんとか本来の形を取り戻したのが今週。

連覇を狙うこのANAオープンにどうにか間に合わせて「そろそろエンジンをかけたい」と意気込む。

毎年、いまごろは「年末のQTの心配ばかりしていた」という。
出場権がない時代は「予選会男」。
出場優先順位を決める12月のクォリファイングトーナメントの常連は「いつも、ちょうど秋頃から徐々に調子をあげていってねぇ・・・」と、振り返る。
「だからね、この時期の戦い方は心得ているから」。
出遅れた分は、これから一気に取り戻す。

それに予選ラウンドの相手は、石川遼。
出場権のない時代はレッスン業で食いつなぎ、中学時代の彼をレッスンしたこともある“篠プロ”は、教え子との直接対決に「変なところは見せられない、というプレッシャーがある。うかうかしてはいられない」。

“先生”のプライドを見せつける。

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