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東建ホームメイトカップ 2008

選手会長は石川とのラウンドに…

すっかりファンになってしまったようだ。この日3日目。石川と同組で回った宮本の口からは、称賛の言葉しか出てこなかった。

ホールアウトするなり「遼ちゃん、ナイスプレーだよ。すごいよ、うまいよ」と関心しきり。
練習仲間の藤田寛之との前夜の食事でも、石川の話で持ちきりだった。
予選2日間、同じ組で回った藤田は言ったものだ。
「遼くんにはオーラがある、と」。
それに、パッティングの上手さ。
「藤田さんが言うくらいだから、間違いない」という宮本も昨年、アマチュア時代の石川と回っているが、藤田が言うように一段と磨かれたと感じたという。

これがツアーデビュー戦。
プレッシャーもあるだろう。
「今日は、ショット打つたびに“遼く〜ん、遼く〜ん”って…。周囲の期待もある」。
ましてこの日は強風が吹き荒れた。
「僕らでも自分のプレーがなかなかできないのに、遼ちゃんはいつもと変わらずにやっていた。崩れかけてもバーディを取る。公約通りのプレーは、見ていて気持ちいいくらい。回りから注目を浴びながら、期待どおりの成績を出すのだから相当ですよ」。

選手会長としても、嬉しい限りだ。
「これだけたくさんのお客さんが来てくれると僕らもやっててホント、楽しいですよ」。

プレー中、ギャラリーに何度も声をかけられた。
「宮本さんも頑張って!」。
ついでのように声をかけられても腹も立たない。
「高校生に負けてるぞ」と言われても、悔しくない。
むしろ、「このまま勝ってくれたほうがいいんじゃないか…」とまで言いだした。
むろん選手会長として、男子ゴルフ界の発展を願ってのことだが、「今日のようなゴルフをされたら勝てない」という、いまもっとも勢いのある16歳への畏怖もある。

「…もちろん、僕も諦めないですけどね」。
最後の最後に取ってつけたようなコメントに、いったいどれが本音やら…。

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