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日本プロゴルフ選手権 2007

兄・聖志の祈り届かず、優作は7位

地元沖縄での優勝を目指した宮里兄弟だったが・・・
この日最終日、いわゆる“裏街道”のインコースの1組目からスタートした聖志は、気になって仕方なかった。ハーフターンしてから、最終組のひとつ前で優勝争いを繰り広げる優作を追いかける形でのプレー。

「前のほうで歓声が上がるたびに気もそぞろ・・・(苦笑)」。
とても、自分のゴルフどころではなかった。
「あいつのパットが、うなるほど入ってくれますように・・・」と、祈るような気持ちでプレーを続けた。
リーダーボードは、逐一チェック。弟のスコアに、一喜一憂しながらのラウンドだった。

自身の初優勝は2005年のアジア・沖縄オープン。
「俺のときも、優作はこんな気持ちで見守ってくれたんだ」と、気がついた。
この日、聖志は79を打って、通算14オーバーとさらに順位を下げたが、「その分、あいつに運が向けば」と、弟を思いやった。

自分のプレーを終えて、応援に来てくれた幼馴染み4人とクラブハウスで優作のホールアウトを待つこと約3時間。

くしくも米女子ツアーでは、妹の藍さんが3日目を終えて3位につけていた。
「優作と藍ちゃんが今週、同時に初優勝をあげて、来週は俺が勝つ、と」。
兄がひそかに描いた青写真は、しかし実現しなかった。

出だしのバーディ発進に、期待が高まった優作だったが7番のボギーをきっかけに、ズルズルと後退。
結局、通算イーブンパーは7位タイ。
兄の祈りは届かなかった。
「せめて2位で終わりたかったけど」と、優作。
「でも、開幕3戦で予選落ちの割りには、良いゴルフが出来て良かった」と悔しさは隠した。

「次頑張ってね!」と、応援に駆けつけた大勢の地元ファンの言葉に大きくうなずいた。
「パットも悪くないので、リズムに乗れたら行けると思う。気持ちを切り替えて頑張ります!!」。

写真下=スタートの1番ティで、地元ジュニアと手をつないで入場した優作。毎年、この日本プロゴルフ選手権では最終日に、地元ジュニアを大会に招待し「キッズファミリー」と銘打って選手との交流の時間を作られています。