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〜全英への道〜 ミズノオープン 2006

ファイナルQTランク3位の前田雄大が4位タイ

水巻善典にゴルフを教わるようになったのは、今年3月に残り競技が再開されたファイナルQTで、同じ組でプレーしたことがきっかけだった。
以来、何か困ったことがあるとすぐに水巻のもとへ出向くようになった。

プロ22年のベテランに悩みを打ち明けると、すぐに解決策を教えてくれる。

最近、アドバイスを受けたのは「アドレスのとき、地面に対してまっすぐに立つ」ということだった。
風向きやホールの形状、障害物などが目に入ると、つい過敏に反応してしまうところが前田にはあった。

「たとえばフォローのとき、アドレスで右足に体重をかけたりしてしまう。そのせいで、ミスが多くなる」。
そのことに気づかせてくれたのが、水巻だった。

「開幕したころにはちゃんとまっすぐ立てていたのに。最近、背骨がずれているよ」と指摘され、さっそく修正を試みた。
「地球に対して、二等辺三角形で立てるよう・・・」。
独特の言葉で表現された、そのフィーリング。
パットのときは上手くいくのに、ショットの際にはなかなか対応しきれない。
いまもティショットにやや不安を残しているが、それでもなんとか戦える状態にまでなってきた。

首位と5打差はあるものの、4位タイで優勝争いに加わった。

前田がはじめてクラブを握ったのは、10歳のとき。
自宅近くの千種川の河川敷で、たまたま拾ったピッチングウェッジ。それを持って2年間、毎日のように河川敷で球を打った。

そのうちソールも磨り減って、とうとうシャフトも折れてしまった。
そこではじめて父親に新しいクラブセットを「おねだり」した。
それが前田の、本格的なゴルフ人生の始まりだ。

兵庫県の赤穂中学校卒業後、すぐに研修生になった。
15歳での独り立ち。
「母親に、泣きながら止められた」プロの道。
99年に転向してから、今年で6年目になるがシード権はまだない。
一昨年前のファイナルQTで1位。昨年は3位。
毎年、出場優先権の上位につけているだけに、そろそろチャンスを生かしたいところだ。

趣味は10年前から始めた「瞑想」という、ちょっとナゾめいたところのある選手。
今夜の瞑想に、ツアー初優勝は出てくるだろうか。
そして、「ぜひ、行ってみたい」という全英オープンの出場権は・・・。

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