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サントリーオープンゴルフトーナメント 2005

今野康晴ツアー通算5勝目は「奥さんのおかげです」

家族3人、至福の瞬間
今年、3階建ての新居を構えた千葉県市川市の自宅から、コースまで車で約40分。地元開催のこの4日間は、妻・崇乃子さんが毎日、応援に駆けつけてくれた。
毎朝、長男・泰嗣くんを慌しく実家に預け、夫のスタートからぴったりと18ホールをついて歩く。

「見ていてくれる、と思うと気が引き締まる」と、今野は言う。

たまに1メートル弱の、「こんなの絶対、外さない」というような距離のパットを、ミスすることがある。

「引っ掛けるのをやるんです。そんなときうちの奥さん、ものすごく怒るんです。だから、見られていると絶対に外しちゃいけないって気になって・・・」。
崇乃子さんの存在が、良い抑止力になるという。
だからこそ毎日、無理を言って応援に来てもらった。

小山内に首位タイで並ばれた前日3日目。
「暑さにやられた」という夫のために、崇乃子さんはいつもよりいっそう腕をふるって夕食を準備してくれた。

夫のリクエストに応え、肉と魚料理を食卓に並べ、テレビで「体に良いメニュー」として紹介されていた「アボガド納豆」も添えてくれた。

2日目の夜には夫が蚊に悩まされていたと知って、早くから部屋に虫除けをセットするなど、心地よく眠れるよう、心を砕いてくれた。
最終日の朝には、手製のアイスカフェオレを作って持たせてくれた。

それらの何気ない気遣いも、実は崇乃子さんにとっては、勝負に向う夫のためのゲン担ぎだった。
「アボガド納豆」は、64をマークして4打差首位に躍り出た前日初日の晩にも出したおかずだった。

アイスカフェオレは、たまたま3日目の朝だけ作り忘れた。
「そしたら、その日はスコアが伸ばせなかった」(崇乃子さん)。
それを悔いて「最終日は絶対に忘れないように」と、心をこめて用意されたものだったのだ。

そんな妻の気持ちに報いた3年ぶりのツアー通算5勝目。
「勝てたのは、奥さんのおかげです」。
チャンピオンは、てらいものなく言ってのけた。

  • ウィニングパットを決めて、キャディの高橋さんと歓喜の抱擁
  • 最終日にはコーチの江連忠も応援に駆けつけた

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