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JCBクラシック仙台 2005

小田龍一「今年は、余計なことは考えない」

先月の日本プロで、ショットのイップスになりかけた。「右に左に球が散らばってどこに行くかわからない。ターフがひどく厚く取れたり、チーピンも出た」。あまりのひどさに、だんだんクラブを振るのが恐ろしくなった。
それでも、どうにか予選通過を果たして大会3日目。
ホールアウト後の練習場で、たまたま前の打席で打っていた芹澤信雄が、たまりかねたように言ったのだ。
「なんかおまえの打ち方、おかしいぞ。それじゃそのうち、ヒジ壊すぞ」。
そして1時間ほど、つきっきりで練習を見てくれたのだった。

それまでの打ち方は、軸がひどく左右にぶれていた。
「芹澤さんのアドバイスで、軸を意識して頭を動かさないように。そしたら、とたんに良くなりました」。
2003年のドライビング王。ツアーきっての飛ばし屋が、ステディなゴルフを身上とする選手に救われた。

今週も引き続き、芹澤の教えを守ってプレーしている。
加えて、先週の三菱ダイヤモンドカップゴルフ。難コースで身にしみた「パーを基本にするゴルフ」を心がけての好スタート。
ボギーなしの63に、思い出されるのは昨年の今大会だ。

やはり初日。自己ベストの9アンダーをマークして、単独トップに立った。インタビュールームに陣取った。
翌2日目は「興奮して」鼻血を出しながらも首位を死守したが、最終日は結局、11位タイに終わっている。

リベンジをかけた今年は、「余計なことは何も考えない。ただショットひとつひとつ、軸を意識してやるだけです」。
1年越しのツアー初優勝は、無欲でつかむ。

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