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2003 アジア・ジャパン沖縄オープンゴルフトーナメント 2004

「単なる、ブームでなく・・・」 地元・那覇市立壷屋小学校スナッグゴルフ部のチビッ子10人が、サザンリンクスで大活躍

この日3日目も、サザンリンクスの空はあいにくの曇天。しかし、10番ホール近くのギャラリー広場には、ひときわ明るい声が響いていた。

沖縄県・那覇市立壷屋小学校、低学年の子供たち10人。
7月のゴルフツアー選手権宍 戸ヒルズカップ開 催中に行われたスナッグゴルフ対抗戦の参加メンバーでもある彼らが、トーナメント 会場で大活躍した 。

ギャラリーの前で、スナッグゴルフのデモンストレーション。集まってきた人たちの “お手本”として 、日ごろの成果を披露することになったのだ。

もともとアメリカで初心者向けに開発されたスナッグゴルフは、子供が思い切りフル ショットしても危 険がないよう、安全な素材で作られた“ランチャー”を使い、数ヤード離れた的に向かって競い合うゲーム。

しかし、ビギナー用と思って甘く見ていると、痛い目に合う。
きちんとランチャーの芯にボールを当て ないと、目標となるスナッグフラッグに当てるのはなかなか至難の業なのだ。

子供たちの歓声に誘われてやってきた大人たちは、四苦八苦。見かねた子供たちが、 「こうしてやるん だよ」と、声をかける微笑ましい光景も見られた。

「こういう取り組みから、ゴルフの底辺拡大が生まれるんです」と目を細めたのは、 地元出身の蒋野( こもの)利昭プロだ。
「単なるブームではなく、しっかりと根づいて欲しい」との願 いをこめて、蒋野 プロはもう9年以上も前から、県内ゴルフの普及に努めてきた。

地元ゴルフ連盟と協力して、子供たちに無料でコースを開放したり、比較的安価で練習場を使用できるよう取り組みを続けて来られたのだ。

3人揃ってプロになった宮里兄弟や、トップアマの諸見里しのぶさんなど、このところ、沖縄県出身の ゴルファーが大躍進を続けているのには、そういう地道な下地作りがあればこそだった。

今回、ボランティアでスナッグゴルフのデモンストレーションに参加してくれた壷屋 小学校にも、その 一環で昨年、高学年を対象にしたゴルフ部ができた。

さらに今年は、低学年向けの“スナッグゴルフ部”が誕生し、ますますさかんな活動 を続けている。
「いずれは、この子たちも試合に出て行き、人前でゴルフをする機会も増えていく。 今回のデモンスト レーションが、そのときのステップになればいい、と思っています」とは沖縄県ゴル フ協会ジュニア育 成委員で、同校スナッグゴルフ部監督の嘉数(かかず)正さん。

「こうして会場に来て、プロのゴルフを間近で見ることでトーナメントの雰囲気を感 じ取り、もっとゴ ルフが好きになってくれれば」と、期待を寄せていた。

写真=今回、ボランティアでスナッグゴルフのデモンストレーションに参加してくれ た壷屋小学校の仲間と父兄のみなさん、蒋野プロ(=前列右から2番目)と嘉数監督 (=前列右端)からメッセ ージ。「最終日も会場で、スナッグゴルフのデモンストレーションをやっています。 ぜひ、見に来てください!」