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フジサンケイクラシック 2003

伊豆急行の車内でのひとコマ、トッド・ハミルトンのプライベートショット

畳半畳分くらいはあろうか、という大きなスーツケースを軽々と持ち上げながら、ハ ミルトンが駅の ホームを上がってきた。
川奈ホテルから車で5分。コース最寄のJR川奈駅だ。
優勝賞金2200万円を手にしたチャンピオンが、仮住まいの都内ホテルに電車で帰宅。 会場の移動には、ほとんどの選手が高級外車やタクシーを利用する中、「こんなの、 いつもやってい ることさ。電車は好きだし、特に不自由はないし」とハミルトンは涼しい顔だ。
もともと、贅沢をするタイプではない。 ギャラリーに混じって、何食わぬ顔で無料の送迎バスに揺られて会場入りしたり、滞 在するホテルも 「特別不自由がないなら、泊まれればどこでも構わない」と、こだわらない。洗濯 も、近くのコイン ランドリーで済ますこともしばしばだ。 “単身赴任”で長い間、異国の地を転戦してきた者の逞しさ。
思いがけぬ場所で“チャンピオン”に居合わせた、観戦帰りのお客さんたちは大喜び だ。
「うそ! さっき勝った人がここにいる!」カメラやペンを手に集まってきて、電車 の中でにわかサ イン会が始まった。 その1人1人に嫌な顔もせず、記念撮影に収まったハミルトン。
「ハイ、ピース!」とVサインを作った笑顔は、普段のいかめしい風貌からは想像も つかない、親し み深さに溢れていた。
写真=熱海行きの伊豆急行の車内で、キャディのジェフ・マルべりさん(=左)と。 記念に持ち帰っ た川奈18番ホールのピンフラッグを広げて「Happy!!」

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