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日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ 2003

『ロープを張らしていただきました』日本ユニシスが試験運用したGPSによるデータ収集が大好評

写真=右端が今回、GPSによるデータ収集のチーフとして活躍した日本ユニシスの唐沢さん。17番グリーン裏に設置したデータサーバーとにらめっこの4日間だった。
「あまりにも、お客さんが集まってきてしまったので、申し訳ないですが周囲にロープを張らしてもらいました」とは、日本ユニシスの唐沢哲平さん。今大会では、同社が日本ツアーではじめて、GPSによるボールの位置と飛距離の計測とデータ収集を試験運用した。
難易度1位の17番パー4が、その観測ホールだったのだが、データ処理をしているスタッフのまわりには、興味津々のギャラリーが寄ってきては、
「いまの選手はどのくらい飛んでいたの?」とか、「第2打は、ラフに入ってたの?」等々、さかんに質問をしてくるのだ。
もちろんその都度、答えていきたいのはやまやまなのだが、「そのたびに作業が止まってしまうので、最終日には大会側にお願いしてやむなく、囲ってもらった次第です」と好評ぶりに、嬉しい悲鳴をあげた唐沢さん。ギャラリーのこんな反応を目の当たりにして、この運用の実現化の必要性をますます痛感させられたという。
「やはり会場に来られているゴルフファンのみなさんは、選手がどこまでどれだけ飛ばしたかに、いちばん興味がある。具体的な数値がその場でリアルタイムに分かることで、よりいっそうのファン獲得につながるのでは、と感じましたね」。
たとえばテレビ画面や、インターネット上だけのデータの露出だけではなく、会場でも持ち歩けるPDAの貸し出しをすれば、ギャラリーは選手について歩かなくとも、好きな選手のプレーが把握できる。
「ギャラリーの方が入れないような林に打ち込んだボールが、OBだったかどうかも画面を見れば一目瞭然。一体、何打目でグリーンに乗ったのかもすぐに分かります。グリーンまわりで座って観戦しているときでも、実はボギーパットを『ナイスパー!!』と言ってひんしゅくを買わなくて済みますよね(笑)」。
今回、はじめて現地運用に踏み切ったことで、GPSによるデータ収集の未来像が見えてきたようだ。
※なお、GPSによるデータ収集については、大会2日目の記事でも詳しく触れていま す。ぜひそちらもご覧ください。