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三井住友VISA太平洋マスターズ 2003

三井住友VISA太平洋マスターズ1日目大会初日は今年の全英オープン覇者、ベン・カーチスが7アンダーでまわって単独首位発進

メジャー初参戦で、ツアー初優勝は90年ぶりの快挙だった。ルーキーイヤーの今年、全英オープンを制 して一躍、注目をあびたカーチスの身の回りは、そのあとにわかに騒がしくなった。連日の取材攻勢。 トーナメント会場だけでなく、ただ町を歩いているだけでも人が集まってきた。

しかし、そんな優勝後のプレッシャーを「ゴルフのときにはできるだけ意識しないようにしてきた」と 、カーチスはいう。

「人から注目されることを、自分への言い訳にしたくなかったんです。だから、コースに出たら常に平常心。おか げで、全英のあともいつくかの試合で、上位につけることができました」。

その甲斐あって、8月の世界ゴルフ選手権NECインビテーショナルでも初日にトップスタートができたのだが、このときばかりはもっと別の意味で、冷静さを失っていたという。

その週末に、フィア ンセのキャンデス・ビーティさんとの結婚式が控えていたからだ。

「・・・(笑)そうそう、確かにあのときはそっちのほうが気になってしまって。ゴルフは二の次でした 」と、左薬指のリングを無意識に撫でながら、照れ笑いで振り返ったカーチス。

「でも、今週はそういうプレッシャーがないので気楽です(笑)。“ゴルフ最優先” で頑張れそうです よ」。

今回は、そのキャンデスさんを連れての来日だ。この日の初日も、ときおり小雨が降るあいにくの空模 様にもかかわらず、夫の18ホールに付き添う夫人の姿があった。

全英に続くツアー2勝目がこの大会ならば、今度は日本で、またひとつ2人の思い出が増えることになる 。