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サントリーオープンゴルフトーナメント 2003

素直に、キャディさんの言うことを聞いたからこそ

最終18番で、ティショットをバンカーに打ち込んでフェアウェーに出しただけ。アプ ローチも寄らず、 10メートルのバーディパットを残した。土壇場の大ピンチ。しかし河村はこれをしっ かりと沈めた。こ のパーセーブで初日から27ホールノーボギー。

通算8アンダー単独2位で、大会を折 り返した。

「パットがこれだけ入ればほんと楽。今日もキャディさんのおかげです!」。総武のベテランハウスキャディの好アシストが続いている。

キャディ暦18年、このコースでは6年目の森塚喜美枝さんは、「良きおかあちゃん 風」(河村)。
グリーン上の的確かつ、確信に満ちた読みに加え、その肝っ玉ぶりが支えになってく れる。<
前半のアウトコースはたくさんチャンスを迎えながらもすべてパーと、ストレスのた まりがちなゴルフ が続いた。

「僕が悔しがっていたら、『何いってんの、パーで上出来。つぎ行くよ!』って (笑)。すんごく支え てもらってます」。

この日、森塚さんとの二人三脚でようやくつかんだバーディは、ハーフターンの10番 ホールだ。2メー トルのチャンスを読みきって沈めた。次のバーディは12番。ラフにつかまりフェア ウェーに出すだけの ショットから、10メートルに乗せて、これを決めた。「素直にキャディさんの言うこ とを聞いたからこ そ」の通算8アンダー。

首位と1打差2位で迎える決勝ラウンドに「がんばろうね!」と森塚さん。
それに答えて「がんばってね!」と河村。なぜか選手がキャディにエールを送るとぼ けぶりも、2人の 相性が抜群だからこそ。

「また明日!」と言ってコースを出ようとした河村に「ちょっと待って!!」と大声 で引き止めた森塚 さんが、自分のかばんからごそごそと取り出したのは、栄養ドリンク。
受け取りながら、「これ毎日、飲まされているんですよ・・・」と、顔をしかめつつ、 母と息子のような 掛け合いを、どこか楽しんでいる風の河村だった。