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日本プロゴルフマッチプレー選手権 2003

約3ヶ月の沈黙を破って、今週いよいよ戦線復帰!

約3ヶ月ぶりの復帰戦にこの大会を選んだのは、過去3勝という相性のよさからだけで はない。
ゲーム方式は1ホールごと、取るか取られるか、の真剣勝負。相手がバーディだろう が、自分がダブルボギーを打とうが、「ここでは、スコアはまったく問題ではない。それより、1球1球 の密度の濃さ。久しぶりの試合で、ゲーム感を取り戻すのにいちばん良い舞台ではないかと思ったんだ よ」。
5月末のダイヤモンドカップ初日に、ラフからの脱出で右背筋を痛めた。ディフェン ディングチャンピオンではあったが、一時は息もできないほどの激痛に翌日2日目のスタート前にやむな く棄権を申し出て治療に専念。再び球が打てるようになってきたのは、ここ1ヶ月ほどのことだ。
結局、ツアー前半戦を棒に振ったが、中嶋の表情は明るかった。
「・・・試合に出られない焦り?そんなものは7年前にとっくに置いてきたよ (笑)。もちろん、“ゴルフがやりたい”っていうモチベーションは保ちつつね、思いがけずもらった休暇を 思いっきり楽しんできたんだ」。
この夏は、青森と北海道に約3週間滞在。キャンプを張って、釣りや山登り、散策に明 け暮れた。その間はそれまで毎日欠かさなかったトレーニングとリハビリも、ついおろそかになってし まうほど充実のバケーション。「でもいまになって思えば、そういう日々も実は体作りにつながってく れたんじゃないかなって、思うんだよ」。まだ今は、1日200球前後しか打ち込めず、完全復帰とは言い がたいかもしれない。「でも、痛みはほとんどないし、8月中は10ラウンドもこなし てきた。そこそこ、やれるって感じがしてるんだ」と手ごたえを感じている。
発奮材料もある。7月、妹の恵利華プロがガンを克服して、競技に復帰した。日本女 子オープンの予選で奮闘するその姿に、「あれほどの病気を患っていながら、もう一度プレーがした いって思えるなんて・・・中島家は、兄貴より妹のようがすごい」と舌を巻いた。また今週は、同じ道内 で長男・雅生が北海道オープンに出場する。「親子で、がんばりたいんだ」父の威厳を示さんと、張 り切っている。
4日木曜日の大会初日は、ミャンマー出身のゾー・モウとの第1回戦。「明日の1番 ティは、しびれながら立ちたい。1球の緊張感、それこそが競技の醍醐味だから ね」。本人だけではない、誰もが待ち望んでいたトミーの復帰第1戦は、11時30分 ティオフだ。
写真=大会前日の水曜日は、開催コースのニドムクラシックコースイコロコースで18 ホールの練習ラウンドをこなした中嶋。ホールアウト後は、あっという間にファンに 囲まれて激励を受けた。「3ヶ月の休養中もずっとこんな感じ。会う人会う人に“い つトーナメントに復帰するんですか”って(苦笑)。たくさん励ましてもらいました ね」。