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〜全英への道〜 ミズノオープン 2003

『今年の全英オープン開催にあたって』デューガル・レイR&A全英オープン実行委員の話

「第132回を迎えます今年の全英オープンの舞台は、イギリス南東部の小さな街、サ ンドウィッチにあるロイヤルセントジョージーズです。ロンドンから約2時間という このコースで、全英オープンが開催されますのは1993年以来10年ぶり、初めて開催さ れた1894年大会から数えて、11回目となります。
ハリー・バードン、ウォルターヘーゲン、ヘンリー・コットン、サンディ・ライ ル…。数々の素晴らしいチャンピオンたちを輩出し、特に1993年チャンピオンのグ レッグ・ノーマンが出した167ストロークは、全英史上における最小ストロークとし て、いまだ記録は破られておりません。
コースに関する資料をひもといてみますと、日本のみなさまにもゆかりのエピソード がちらほらと見られます。ウォルターヘーゲンが優勝した1922年大会は、日本大使の 方が専用列車で観戦に来られたり、大きな改造が施された直後の1973年には田中角栄 氏がコースを回られたという記録などが残っております。
今年は、8ホール(2、4、8、10、11、12、13番)でティグラウンドが新設され、 10年前より250ヤード距離が伸びて、総距離は7106ヤード、パー70を71に変更して争 われます。ミズノオープン会場の瀬戸内海ゴルフ倶楽部より距離的には短いものの、 深いポットバンカーや砂丘、リンクス特有の風が、今年もまた数々の波乱のドラマを 作り上げてくれることでしょう。
名物ホールは、ティショットの落下地点に10メートルものバンカーがある4番パー4 や6番パー3、14番パー5など。特に砲台グリーンが新設され、507ヤードから550 ヤードまで距離が伸びた14番は、フェアウェーが狭い上に、右サイドにOB、330ヤー ド地点には川が流れるなど手ごわいホールとして有名で、「スエズ・カナル」と名づ けられ地元ゴルファーにも恐れられています。
そのほか今年は、賞金総額が昨年より10ポンド増の390万ポンド、優勝賞金は70ポン ドと大幅アップで行われます。ちなみに、これは10年前、グレッグ・ノーマンが受け 取った賞金の実に70倍という計算となるんですよ。
昨年の全英オープンは、3日目の午後にものすごい風が吹き、予想もつかないスリリ ングな展開となりました。今年の全英オープンの会場には、いったい、どんな風が吹 きあれるのでしょうか。日曜日の夕方に、伝統のクラレットジャグを受け取るにふさ わしい素晴らしい選手が誕生してくれますことを、心より願っております」
(写真=左がR&Aチャンピオンコミッティのデューガル・レイ氏、右はマイケル・テ イト氏)