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日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ 2002

< 大会みどころ&コースセッティング > ・ 山中博史大会プロデューサー

 「会場のホウライカントリー倶楽部を攻略する一番のカギとなるのは、なんといっても、ティショットでしょう。
 ホールによって、フェードボールが要求されるところと、ドローを要求されるところとが、はっきりしていて、それと逆のルートで攻めると、1打、2打のペナルティは、覚悟しなければなりません。
 ホールが要求してくる球筋を打ち分けて、しっかりとフェアウェーをキープしつつ、さらに、ピン位置によっては、その落としどころにも充分な注意を払わないと、スコアメイクは難しく、非常に戦略性のとんだコースといえます。
 また今年は、開催までに雨が多かったために、例年より芝が重く、ティショット時のランは、あまり期待できない状況です。
 昨年より、2打目に握るクラブが長くなるため、選手によっては、戦法を変えて、たとえ落としどころが狭いホールでも、ティショットで思い切ってドライバーを握るケースも、増えてくるかもしれません。
 多少、曲がるリスクを背負っても、ドライバーである程度の飛距離を稼ぐのか、あくまでも正確性を重視して、距離を犠牲にしても、スプーンより短いクラブを握るのか。
 今週は、ティグラウンド上に、選手個々の攻略法が、顕著に表れてきそうです。

 見どころホールは、まず5番の530ヤードのパー5。距離的に2オンも可能なため、「最低でもバーディ」と思いがちです。ところが、そこには恐ろしいワナが待ち構えていて、グリーン右サイドは、池にむかって傾斜しています。それを避けて、右に逃げると、大きく右から左へ、つまり池にむかって傾斜しているグリーンへの、深いラフからのアプローチは至難のわざです。
 逃げても、攻めてもやっかいな、難ホールといえるでしょう。

 10番501ヤードのパー5は、池が第1打、第2打地点とも絡んできます。ティショットは、まず安全に左フェアウェーを狙い、第2打はレイアップか2オンか選択が迫られるホール。グリーンが受けて見えるため、つい挑戦欲をそそられると思うのですが、少しでもショートすると、手前は池に向かって受けていますから、大叩きの可能性もあります。

 そして、11番(=写真)は、なんといってもアイランドグリーンが必見です。距離は380ヤードとバーディチャンスも狙えますが、そのためには、ティショットでフェアウェーに置くことが絶対条件です。右に池が広がっているためレイアップする選手もいると思いますが、そうすると今度はセカンドの距離が残って、パーオンは難しくなるかもしれません。

 手に汗握る決勝ラウンド、これらホールで選手たちがどんな戦略を見せるのか。その他にも、手ごわいホールはたくさんあります。グリーンまわりやセカンド地点に陣取って、選手の手に汗握る熱戦をぜひ、お楽しみください」