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JCBクラシック仙台 2002

「これこそ、親孝行!!」

予選落ちの不安から一転、首位タイの大井手哲
 翌7日の金曜日は、大井手の母・節子さんの70歳の誕生日。
 親戚、友人が集まって、ゴルフ&パーティが開かれることになっている。
 最近、パッティングが絶不調だったため、今週は「また予選落ちだろう。だったら、なるべく早く帰って、パーティには、オレも駆けつけてやろうかな」と、開催直前まで、考えていた。
 だが、フタをあけてみると、予選落ちどころか、この日初日は8バーディ(1ボギー)を奪って、首位発進。
 練習日に受けた、キャディの指摘が大きかった。
 「パットのとき、膝が動きすぎています」
 しかし、もともと、膝を動かしながらストロークする癖がある大井手には、膝の動きを止めて打とうとすると、かなり窮屈な姿勢になってしまう。
 「だから、膝のことを意識するのはやめて、そのかわりに、なるべくパターヘッドを、低く打ち出すようにしてみればどうかな、と思ったんです。これがうまくいきましたね」
 この日、6メートル以内のバーディチャンスは、ひとつも外さなかった。
 このまま順調にいけば、誕生祝いには行けそうもないが、いつも息子の活躍を、楽しみにしてくれている節子さんにとっては、「パーティに行けないことこそ、親孝行になる」(大井手)
 何よりのプレゼントが用意できた、と喜んでいる。

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