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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技 キリンオープン 2001

極度の疲労にも、片山晋呉の本能は反応していた

ホールアウト後のインタビューもそこそこに、片山は、ロッカールームに駆け込んだ。
待機していた医師に、点滴を打ってもらうためだ。
前日よりもさらに症状は悪化して、「もう、歩くので精一杯」というほどの極度の疲労に、先週、マスターズから戻ったばかりの片山の体が、悲鳴をあげていた。

「今日は体がそんな状態だから、真中に打って、2パットでいいや、と思ってプレーした。それがたまたま入ってくれただけのこと」

とはいえ、「距離感に落としどころ・・・どのホールも気が抜けない、シビアなショットが続く」というオーガスタでの経験もプラスになっている。緊張感の中で戦い抜いた感覚は、朦朧とした意識の中でも、片山の本能を刺激したのだ。

前半の11番、18番、ターンした3番で7メートル、5番で5メートル。どれも上りのパットを残すバーディチャンス。これをしっかりモノにした。

そして、あがり3ホールでは、9番パー5で残り217ヤードを7ウッドでの2オンを含む、3連続バーディで決めて、ノーボギーの64。

「今日は、スマートなゴルフだったね」と片山。
ディフェンディングチャンピオン、そして、前年度賞金王の底力を見せつけた。
地元・茨城での大会。最終日は、実家の下館から友人家族、友人・知人が観光バスをチャーターした、大応援団がやってくる予定。残り3日は、連覇の期待を背負ってのプレーとなる。

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