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日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ 2001

今年、万全を尽くして行われる雷対策

本大会トーナメントプロデューサー、山中博史JGTO競技運営・国際ディレクター

 「昨年、『JGTO TPCイーヤマカップ』として開かれた第1回大会。
 今年は、『日本ゴルフツアー選手権 イーヤマカップ』と名称を新たに変えて行われるわけですが、大会コンセプトは昨年に引き続き、ツアープレーヤーならびにツアーメンバーの№1を決める選手権であることに変わりはありません。

 ただ今年は、コースやホスピタリティの面で、よりいっそう選手の立場に立ち、理想の形へ近づける努力をしようと、事前に、『コースセッティング』『社会貢献』『雷などの悪天候への対策の強化』という、3つのテーマを打ち立て、綿密な開催準備をしてまいりました。

 テーマ1つ目の、『コースセッティング』については、昨年の第1回大会を反省材料に、より選手の技能を引き出す舞台作りを念頭において、コースの総飛距離を伸ばしたり、バンカー数を増やしたり、また、コースが会場してから、グリーンの面積が次第に縮小されていた現状を、設計当初の大きさ、形にできるだけ復元する、といった細かい作業を、コース側との話し合いを持ちながら、進めてきた次第です。

 2つ目の社会貢献に関しては、昨年は『医療』をテーマにつとめて参りましたが、今年は『教育』という面に目を向け、栃木県教育委員会や、地元・西那須野町の教育委員会やスポーツ少年団と話し合いの場を作っていただき、大会を通して、子供たちのスポーツ教育に役立つチャリティ活動を、と準備を積んで参りました。

 3つ目の『雷を含めた悪天候時の対策の強化』は昨年度の雷への対策の遅れを反省に、ご迷惑をおかけしましたファン、選手ならびに関係者のみなさまからのご意見、ご苦言もベースにしながら、より確実な安全対策につとめてきました。
 対策のひとつとして、今年は運営本部に3種類の雷探知機を設置いたします。
 1台は、フランクリンジャパンという民間の気象予報会社より、半径100キロ以内に落雷があった場合、衛星を通して、即座に警告が流れてくる雷探知機です。
 もうひとつは、ウェザーニュース社という会社からお借りしました、雷も含め今現在の全般の天気情報を伝えてくれる、精密な機械です。この2種類の機械に加え、従来、コースで使用されております探知機の計3台を、運営本部に常設します。
 加えて、前出のフランクリンジャパン社より、気象予報士の方が4日間、会場の探知機の前に待機して、たとえば、近くで雷雲が発生した場合、あと何時間後に、コース上空に来る危険がある、などといった細かな情報を、即座に報告していただけることになっています。
 同時に、会場の近隣のゴルフ場にもご協力を求め、随時、雷の情報を一報いただけるバックアップ体制も整えました。
 特に、このホウライCCの場合、コース北西の方向から雷雲が来るパターンが多いそうですので、北西方向の近隣コースからは、こちらから連絡がなくても、その都度、連絡をいただけるようなシステムをとっています。
 また、今年は昨年の悪天候による、競技短縮を反省材料に、翌月曜日を大会予備日として日程を組み、72ホールの消化にもつとめてまいります。

 今年もみなさまの安全と、よりよい大会作りを目指して力を尽くしていきますので、暖かいご声援を、どうぞよろしくお願いいたします」

 また、今大会に限らず、年間行われているほかのトーナメントに関しても、雷予知対策は、必須事項です。

 今後も、この態勢がツアーのスタンダードとして確立されていくよう、努力をしてまいりたいと思っています」