Tournament article

カシオワールドオープン 2001

飛距離で置いていかれると、勝負にならない

 3番で、カラーから7メートルのパーセービングパットを決めて、ピンチを切り抜けると、この日初バーディは7番パー4。グリーン奥にこぼした残り12メートルの第3打を、「すごい草の生えた」ライから、サンドウェッジでチップイン。
 小技でも、随所で、若い2人を圧倒した。

 「飛距離で置いていかれると、勝負にならない」と、飛ばすためのスィング改造に着手したのが、39歳のときだった。
 あれから、思ったより長い月日を要したが、
 「自分がやってきたことが良い悪いにつけ、結果を出すのがプレーヤーの仕事。スィングをいじることで、ダメになる可能性も多い中、こうして勝って、成果を出すことができたことは、本当に嬉しいですよ」

 勝負を決めた18番ホールで、21歳のガルシア、29歳のチャンドが、室田の肩を抱いて祝福してくれた。若い2人に挟まれながら、室田は、満員のスタンドにむかって、8年ぶりのウィニングボールを投げ込んだ。